![]() ヒト血液凝固因子を発現するトランスジェニック非ヒト動物
专利摘要:
本発明は、概して、第VIII因子、第VII因子、第IX因子およびフォン・ビルブラント因子などのヒト血液凝固因子を発現する非ヒトトランスジェニック動物の開発に関する。本発明はさらに、記載されるトランスジェニック動物を用いてヒト血液凝固因子に対する免疫原性事象を検出する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、第VIII因子(FVIII)、第VII因子(FVII)、第IX因子(FIX)、およびフォン・ビルブラント因子(vWF)、第II因子(FII)、第V因子(FV)、第X因子(FX)、第XI因子(FXI)、第XII因子(FXII)および第XIII因子(FXIII)からなる群より選択されるヒト血液凝固因子をコードするポリヌクレオチド配列を含むゲノムを有している、トランスジェニック非ヒト動物を提供する。 公开号:JP2011508594A 申请号:JP2010540941 申请日:2008-12-30 公开日:2011-03-17 发明作者:ゲルハルド アンワーヌ,;ハルトムート エルリッヒ,;マリア サスガリー,;マリア シャスター,;ハンス−ペーター シュワルツ,;ビルジット レイペルト, 申请人:バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッドBaxter International Incorp0Rated;バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニムBaxter Healthcare S.A.; IPC主号:A01K67-027
专利说明:
[0001] この出願は、2007年12月31日に出願された米国仮特許出願第61/017,920号(これは、参考として本明細書に援用される)の優先権の利益を主張する。] [0002] 本発明の分野 本発明は概して、ヒト血液凝固因子を発現するトランスジェニック非ヒト動物、その作製および使用に関する。] 背景技術 [0003] 本発明の背景 血液凝固とは、一連の成分の、詳細にはフィブリノーゲン、第II因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子およびフォン・ビルブラント因子の連続的な相互作用を含む複雑な過程である。これらの成分のうちの1つの喪失またはその機能の阻害によって、血液凝固の傾向の増大、または凝血不能のいずれかが生じ得、これは患者によっては生命を脅かす場合がある。] [0004] 第VIII因子は、血漿中で見出されるタンパク質であって、血液凝固をもたらす反応のカスケードにおいて補因子として作用する。血液中の第VIII因子の活性の量の欠損によって、主に男性に罹患する遺伝的な状態である、凝固障害の血友病Aが生じる。血友病Aは現在、ヒト血漿由来または組み換えDNA技術を用いて製造された第VIII因子の治療的調製物で処置されている。このような調製物は、出血のエピソードに対して、または頻繁に一定の間隔で投与されて、制御されていない出血を防ぐ(予防)。] [0005] フォン・ビルブラント因子(vWF)は、第VIII因子と複合して血漿中で循環する。第VIII因子と複合されたvWFは、第VIII因子タンパク質を安定化して、タンパク質溶解性の分解から保護する。血小板凝集におけるその機能に起因して、vWFはまた血液凝固を直接妨げる。フォン・ビルブラント欠損(vWD)(フォン・ビルブラント症候群としても公知)は、vWFの欠損または過剰発現のいずれかを生じる。vWFの欠損は、vWF補因子を欠いている第VIII因子の急速な分解に起因して血友病と同様の疾患を生じる。] [0006] 血友病Aおよびフォン・ビルブラント症候群の治療のための従来の方法には、血漿から回収するか、または組み換え供給源によって産生した第VIII因子またはvWFを用い、精製された第VII、vWFまたは第VIII/vWF複合体を用いて患者を処置する多くの試みがある。投与された外因性のタンパク質に対する抗体の発達によって、処置の有効性が低減し得、これらの患者の処置に対する課題が提示される。例えば、抗FVIII抗体は重度および中程度に重篤な血友病の患者では特に広まっており、これによって抗FVIII抗体は50%という頻度で発達する(非特許文献1;非特許文献2)。] [0007] トランスジェニック動物技術によって、非ヒト動物においてヒトタンパク質の特徴を研究するための固有の機会が提示される。組み換えDNAおよび遺伝子操作技術によって、レシピエントの動物で所望の配列または遺伝子を導入および発現することが可能になってきて、これによってインビボで特定の分子の効果を研究すること、および分子に結合する作用因子を研究することが可能になっている。トランスジェニックマウスを作製するための1つの手順には、新しく交配させた雌性マウスから受精卵を回収すること、および目的の遺伝子のDNAをこの卵の雄性前核にマイクロインジェクションすることが必要である。次に、このマイクロインジェクションされた卵を1日偽妊娠養母の卵管に移植して、出産まで進行させる。例えば、非特許文献3、特許文献1および特許文献2を参照のこと。別の手順は、目的の遺伝子でトランスフェクトされる胚性幹細胞を用いる。次いで。トランスフェクトされた胚性幹細胞をマウスの胚盤胞に注射し、ここで胚性幹細胞は生殖系列を含めて全ての組織の形成に参加し、これによってトランスジェニック子孫が作製される。このアプローチによって、相同組み換え技術と組み合わせて、制御された方式で胚性幹細胞を変更する能力が得られ、従って事前に決定したゲノムを有するトランスジェニックマウスを作製する能力が得られる。例えば:非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6を参照のこと。] [0008] トランスジェニックマウスは、目的のタンパク質を発現するかまたは過剰発現するように作製されてもよいし(ノックインマウス)、または目的の遺伝子を欠失するように作製されてもよい(ノックアウトマウス)。ヒトタンパク質分子を発現するトランスジェニックマウスによって、インビボでのヒト分子の研究が可能になる。例えば、非特許文献7は、組み換えFVIIIの活性を阻害するFVIII阻害性抗体の問題を回避するように設計された改変されたヒトFVIIIタンパク質(Bドメインを欠く)を発現するトランスジェニックマウスを記載している。] [0009] トランスジェニック技術の出現によって、またトランスジェニック動物なしでは不可能であろうスクリーニング方法の開発が可能になる。例えば、外因性タンパク質に対する抗体の開発を研究するためには、被験体が目的の分子に対して自然には寛容であるモデルを有することが有用である。特許文献3は、目的のタンパク質を発現し、このタンパク質に対して寛容であるトランスジェニックマウスを用いてポリペプチドの免疫原性についてスクリーニングし、この動物に対して外因性のタンパク質を投与し、このポリペプチドに特異的な抗体についてスクリーニングするための方法を記載している。特許文献4は、哺乳動物抗原を天然に提示するであろう同族のMHCクラスII分子についてトランスジェニックな動物での哺乳動物抗原の免疫原性を試験するための方法を記載する。] [0010] タンパク質治療剤に対する抗体の発達は生物製剤を障害の処置に用いる場合の永遠の問題である。これらの抗体はタンパク質治療剤の活性を阻害する場合が多く、それによって処置の有効性が低下するか、または治療レベルを維持するための薬物の用量の増大が必要になる。血友病などの血液障害は一生にわたる病態である場合が多いので、治療用の血液凝固因子に特異的な抗体の出現は、処置を受けている患者で特に厄介であり、かつこれらの患者を処置する医師にとって課題である。] [0011] 米国特許第4,873,191号明細書 米国特許第7,294,755号明細書 米国特許第5,470,560号明細書 国際公開第2006/056769号] 先行技術 [0012] Gillesら、Blood,1993 82:2456〜61 Lacroix−Desmazesら、J Immunol.,2006 177:1355〜63 Wagnerら、P.N.A.S. U.S.A.(1981)78:6376〜6380 BaribaultおよびKemler.Embryonic stem cell culture and gene targeting in transgenic mice.Mol Biol Med.,1989 6:481〜92 Ledermann B.Embryonic stem cells and gene targeting.Exp Physiol.,2000 85:603〜13 MoreadithおよびRadford.Gene targeting in embryonic stem cells:the new physiology and metabolism.J Mol Med.,1997 75:208〜16 Shiら、J Clin Invest.,2006 116:1974〜82] 発明が解決しようとする課題 [0013] 従って、ヒト患者に対する研究なしでインビボにおいてヒト血液凝固因子の活性を研究する方法を開発することが当該分野では必要である。さらに、患者に対する外因性の治療用タンパク質の投与がインビボでタンパク質活性を阻害する抗原特異的抗体の産生を生じるか否かを決定する必要性も当該分野では依然として存在する。] 課題を解決するための手段 [0014] 本発明は、外因性に投与されたヒト血液凝固ポリペプチド、そのフラグメント改変体またはアナログに対する抗体を検出するための方法を提供することによる血液凝固障害の処置に関する当該分野における1つ以上の要件に取り組む。本発明は、内因性の血液凝固因子の代わりにヒト血液凝固因子を発現するトランスジェニック動物、およびヒトタンパク質に対する抗体を検出するための方法を提供する。] [0015] 一局面では、本発明は、第VIII因子(FVIII)、第VII因子(FVII)、第IX因子(FIX)、およびフォン・ビルブラント因子(vWF)、第II因子(FII)、第V因子(FV)、第X因子(FX)、第XI因子(FXI)、第XII因子(FXII)および第XIII因子(FXIII)からなる群より選択されるヒト血液凝固因子をコードするポリヌクレオチド配列を含むゲノムを有している、トランスジェニック非ヒト動物を提供する。一実施形態では、このトランスジェニック動物は、ヒト導入遺伝子に対応する内因性の血液凝固因子をコードしているポリヌクレオチドの全ても、その一部も発現しない。関連の実施形態では、このトランスジェニック動物は、ヒト導入遺伝子に対応する内因性の血液凝固因子をコードするポリヌクレオチドを発現する。一実施形態では、このトランスジェニック動物は、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、スナネズミ(アレチネズミ)、モルモット、ブタ、ウシおよび非ヒト霊長類からなる群より選択される非ヒト動物である。一実施形態では、この非トランスジェニック動物はマウスである。] [0016] 一実施形態では、このトランスジェニック動物は、ヒト導入遺伝子にホモ接合性である。さらなる実施形態では、このトランスジェニック動物は、ヒト導入遺伝子にヘテロ接合性である。] [0017] 別の実施形態では、この血液凝固因子をコードするポリヌクレオチド配列は、プロモーター領域に対して作動可能に連結される。本発明のトランスジェニック動物では、プロモーターは、肝臓特異的プロモーター、筋肉特異的プロモーター、膵臓特異的プロモーター、神経特異的プロモーター、内皮細胞特異的プロモーター、平滑筋細胞特異的プロモーター、チロシナーゼ特異的プロモーター、血液凝固因子プロモーター、または脂肪組織プロモーターまたは誘導性プロモーターである。関連の実施形態では、このプロモーターは、αフェトプロテインプロモーター、アルブミンプロモーター、CMVプロモーターおよび内因性血液凝固因子プロモーターからなる群より選択される。] [0018] さらなる実施形態では、この血液凝固因子をコードするポリヌクレオチド配列はさらにポリA配列を含む。] [0019] 種々の局面では、本発明は、第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子(FII)、第V因子(FV)、第X因子(FX)、第XI因子、(FXI)、第XII因子(FXII)および第XIII因子(FXIII)からなる群より選択されるヒト血液凝固因子をコードするポリヌクレオチドを含んでいる非ヒトトランスジェニック動物を提供し、ここでこのヒト血液凝固因子はヒト血液凝固因子の生理学的活性を保持しており、このトランスジェニック動物は:(a)転写調節性ポリヌクレオチド配列と、(b)このヒト血液凝固因子をコードするDNAと、(c)この血液凝固因子をコードするDNAの発現を生じるポリアデニル化シグナルと、を含んでいる外因性遺伝子構築物をそのゲノム内に安定に組み込んでおり、ここで(a)、(b)および(c)は、このトランスジェニック動物中のこのヒト血液凝固因子の産生を得るためにこの外因性遺伝子構築物中で作動可能に連結されている。一実施形態では、このトランスジェニック動物は、ヒト導入遺伝子に対応する内因性の血液凝固因子の全ても、その一部も発現しない。さらなる実施形態では、この転写調節性ポリヌクレオチド配列は、5’転写調節性ポリヌクレオチド配列、3’転写調節性ポリヌクレオチド配列、内部転写調節性ポリヌクレオチド配列、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。] [0020] 一実施形態では、外因性遺伝子構築物の5’調節性配列はプロモーターであり、必要に応じてエンハンサー領域を含んでいる。関連の局面では、このプロモーターは、本明細書に記載されるようなプロモーター領域である。] [0021] さらなる局面では、本明細書に記載される任意の非ヒトトランスジェニック動物は必要に応じてまた、このトランスジェニック非ヒト動物に対して内因性のMHCクラスII遺伝子の代わりにヒト主要組織適合性(MHC)クラスII遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含むと考えられる。一実施形態では、このヒトMHCクラスII遺伝子は、限定するものではないが、HLA−DQ、HLA−DR、HLA−DP、HLA−DO、LMP、TAPおよびTAPBPを含んでいる非ヒトトランスジェニック動物中での発現に適切な任意のHLA遺伝子である。関連の実施形態では、ヒト血液凝固因子を発現する本発明のトランスジェニック動物は、ヒトMHCクラスII遺伝子を発現するトランスジェニックマウスと、ヒト血液凝固因子を発現する本発明のトランスジェニック動物とを交配することによってヒトMHCクラスII遺伝子を発現するように作製される。あるいは、ヒト血液凝固因子を発現する本発明のトランスジェニック動物は、本発明の非ヒトトランスジェニック動物のゲノムDNA中にMHCクラスII遺伝子をコードしているポリヌクレオチド配列を導入することによって、ヒトMHCクラスII遺伝子を発現するように作製される。導入遺伝子を導入することは、当該分野で公知の任意の方法によって行われると考えられる。一実施形態では、この導入は、マイクロインジェクションによって、またはウイルスベクターによって行われる。] [0022] さらなる実施形態では、この導入は、上記非ヒト動物のゲノムDNA中に、ヒト主要組織適合性クラスII遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を導入して、この動物に対して内因性の主要組織適合性クラスII遺伝子の全てまたは一部を置き換える工程を包含する。] [0023] 一実施形態では、本発明の非ヒトトランスジェニック動物は、ヒトvWF遺伝子およびヒトMHCクラスII遺伝子を発現し、内因性のvWFおよびMHCクラスII遺伝子を発現しない。関連の実施形態では、本発明の非ヒトトランスジェニック動物は、ヒトFVIII遺伝子およびヒトクラスII遺伝子を発現し、かつ内因性のFVIIIおよびMHCクラスII遺伝子を発現しない。さらなる実施形態では、本発明の非ヒトトランスジェニック動物は、ヒトFVII遺伝子およびヒトクラスII遺伝子を発現し、かつ内因性のFVIIおよびMHCクラスII遺伝子を発現しない。なおさらなる実施形態では、本発明の非ヒトトランスジェニック動物は、ヒトFIX遺伝子およびヒトクラスII遺伝子を発現し、かつ内因性FIXおよびMHCクラスII遺伝子を発現しない。] [0024] 本発明はさらに、内因性の血液凝固因子の代わりに、FVIII、FVII、FIX、vWF、FII、FV、FX、FXI、FXIIおよびFXIIIからなる群より選択されるヒト血液凝固因子を発現するトランスジェニック非ヒト動物を作製する方法を考慮する。この方法は、非ヒト動物のゲノムDNA中にヒト血液凝固因子をコードしているポリヌクレオチド配列を導入する工程を包含し、ここでこのトランスジェニック非ヒト動物は、ヒト血液凝固因子をコードするポリヌクレオチドを含み、かつこのトランスジェニック動物に対して内因性である対応する血液凝固因子は含まない。一実施形態では、この導入は、当該分野で公知の任意の方法で行われる。種々の局面では、この導入は、マイクロインジェクションによって、またはウイルスベクターによって行われる。] [0025] 関連の実施形態では、トランスジェニック動物を作製する方法では、このヌクレオチド配列は、本明細書に記載のようなプロモーター領域に作動可能に連結される。さらに、このプロモーターは、αフェトプロテインプロモーター、アルブミンプロモーター、CMVプロモーターおよび内因性血液凝固因子プロモーターからなる群より選択されると考えられる。別の実施形態では、このヌクレオチド配列は、ポリA配列を含む。] [0026] さらなる局面では、本発明は、ヒト血液凝固因子を発現するトランスジェニック非ヒト動物を作製するための方法を提供し、この方法は:a)FVIII、FVII、FIX、vWF、FII、FV、FX、FXI、FXIIおよびFXIIIからなる群より選択されるヒト血液凝固因子、ならびにポジティブ選択マーカー遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を提供する工程であって、このマーカー遺伝子がloxP部位に隣接している工程と; b)この非ヒト動物と同じ動物種由来の胚性幹細胞中にこのポリヌクレオチド配列を導入する工程であって、このポリヌクレオチド配列がこの胚性幹細胞のゲノム遺伝子座に対して相同組み換えされて、FVIII、FVII、FIX、vWF、FII、FV、FX、FXI、FXIIおよびFXIIIからなる群より選択されるヒト血液凝固因子ならびに上記ポジティブ選択マーカー遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含んでいる胚性幹細胞を作製するような条件下で行われる、工程と;c)この非ヒト動物の胚盤胞にこの相同組み換えされた胚性幹細胞を注入する工程と;d)この注入された胚盤胞を偽妊娠雌性非ヒト動物中に導入する工程および;e)この偽妊娠雌性動物がこの相同組み換えされたDNA配列を有する1匹以上のトランスジェニック動物を出産させる工程とを包含し、ここでこのトランスジェニックマウスがFVIII、FVII、FIX、vWF、FII、FV、FX、FXI、FXIIおよびFXIIIからなる群より選択されるヒト血液凝固因子を発現する。一実施形態では、工程(b)において、ヒト導入遺伝子ポリヌクレオチド配列は、胚性幹細胞のゲノムにおいて少なくとも1つの天然に存在する血液凝固因子遺伝子の全部または一部をコードしているゲノム遺伝子座中に相同組み換えされる。] [0027] 一実施形態では、上記の方法の血液凝固因子をコードするポリヌクレオチド配列はさらに、ヒト血液凝固遺伝子に作動可能に連結されたプロモーターを含む。関連の実施形態では、このプロモーターは、αフェトプロテインプロモーター、アルブミンプロモーター、CMVプロモーター、および内因性血液凝固因子プロモーターからなる群より選択される。別の実施形態では、この血液凝固因子をコードするポリヌクレオチド配列は、ポリA配列を含む。] [0028] 種々の局面では、上記選択マーカーは、緑色蛍光タンパク質、ネオマイシン(neo)耐性遺伝子、ピューロマイシン(Puro)耐性遺伝子、ジフテリア毒素耐性遺伝子、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼ、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、およびヒポキサンチン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ(phosphoribosyitransferase)からなる群より選択される。一実施形態では、この選択マーカーはネオマイシン耐性遺伝子neoである。別の実施形態では、この選択マーカーはジフテリア毒素である。] [0029] 関連の実施形態では、本発明のトランスジェニック動物は、Cre欠失系統マウスと交配される。] [0030] 関連の局面では、トランスジェニック動物を作製する方法は、上記非ヒト動物の上記ゲノムDNA中にヒト主要組織適合性(MHC)クラスII遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を導入する工程をさらに包含し、このポリヌクレオチド配列は、ヒト主要組織適合性クラスII遺伝子をコードしており、この遺伝子は、このトランスジェニック動物が、その内因性の主要組織適合性クラスII遺伝子を発現しないように、このトランスジェニック動物に対して内因性の主要組織適合性クラスII遺伝子の全てまたは一部を置き換えている。一実施形態では、この導入は、当該分野で公知の任意の方法によって行われる。特定の実施形態では、この導入はマイクロインジェクションによって、またはウイルスベクターによって行われる。] [0031] なおさらなる局面では、本発明は、FVIII、FVII、FIX、vWF、FII、FV、FX、FXI、FXIIおよびFXIIIからなる群より選択されるヒト血液凝固因子を発現するポリヌクレオチド導入遺伝子を含んでいる非ヒトトランスジェニック中で、ヒト血液凝固因子に対する抗体についてスクリーニングするための方法を考慮し、この方法は、この動物中で発現されるヒト血液凝固因子をコードしているヒト導入遺伝子に対応するヒト血液凝固因子ポリペプチド、そのフラグメント、アナログまたは改変体を含んでいる組成物をこの動物に投与する工程と、このトランスジェニック動物由来の試験サンプル中でこのヒト血液凝固因子に特異的な抗体を検出する工程とを包含する。] [0032] 一実施形態では、この検出工程は、ラジオイムノアッセイ、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、フローサイトメトリー、または磁気ビーズを用いて行われる。特定の実施形態では、この検出はELISAによって行われる。] [0033] 別の実施形態では、本発明のスクリーニング方法で投与される組成物中のヒト血液凝固因子は、水溶性ポリマーに対する化学的結合によって改変される。一実施形態では、この水溶性ポリマーは当該分野で公知の任意の水溶性ポリマーである。関連の実施形態では、この水溶性ポリマーはポリエチレングリコール部分である。さらに化学的結合としては、限定するものではないが、グリコシル化、PEG化、ポリシアル化、または融合タンパク質を形成するための第二のポリペプチド配列の付加が挙げられる。別の実施形態では、ヒト血液凝固因子は、ポリシアル化部分を含む。さらに別の特定の実施形態では、組成物中のヒト血液凝固因子は、融合タンパク質であり、かつ種々の局面では、この融合タンパク質は、ヒト血液凝固因子および第二の治療剤を含む。他の局面では、この第二の薬剤は、FVIII、FVII、FIX、vWF、FII、FV、FX、FXI、FXIIおよびFXIIIからなる群より選択される第二のヒト血液凝固因子である。] [0034] 本発明によれば、考慮されるスクリーニング方法の試験サンプルは、免疫細胞および血清からなる群より選択される。一実施形態では、このサンプルは血清である。別の実施形態では、このサンプルは、トランスジェニック動物から単離された免疫細胞である。] [0035] 別の局面では、本発明は、FVIII、FVII、FIX、vWF、FII、FV、FX、FXI、FXIIおよびFXIIIからなる群より選択されるヒト血液凝固因子を発現する導入遺伝子を含んでいる非ヒトトランスジェニック動物中で、ヒト血液凝固因子の免疫原性をスクリーニングするための方法を考慮し、この方法は、この動物中で発現される導入遺伝子によって発現されるヒト血液凝固因子に対して対応するヒト血液凝固因子を含んでいる組成物をこの動物に投与する工程と、このヒト血液凝固因子ポリペプチドの投与に続いて動物中の免疫原性事象を検出する工程とを包含する。] [0036] 種々の局面では、この免疫原性事象は、ヒト血液凝固因子に対する抗体の産生に関連している。一実施形態では、この免疫原性事象は、同種抗体産生およびアレルギー反応からなる群より選択される。] [0037] 本発明のスクリーニング方法で投与される組成物中のヒト血液凝固因子は、動物によって発現されるヒト血液凝固因子導入遺伝子のフラグメント、アナログまたは改変体を含むことがさらに考慮される。別の実施形態では、この組成物はさらに、薬学的に受容可能なキャリアを含む。さらに別の実施形態では、この組成物は必要に応じてアジュバントを含む。] [0038] 投与工程は静脈内で、皮下で、筋肉内で、経口的に、非経口的にまたは吸入によって行われると考えられる。] [0039] さらなる局面では、本発明はヒト血液凝固因子での試験化合物の効果を決定するための方法を考慮し、この方法は:FVIII、FVII、FIX、vWF、FII、FV、FX、FXI、FXIIおよびFXIIIからなる群より選択されるヒト血液凝固因子を発現する導入遺伝子を含んでいる非ヒトトランスジェニック動物に対してこの試験化合物を投与する工程と、この化合物の非存在下でのヒト血液凝固因子活性に比較してこの化合物の存在下でのヒト血液凝固因子活性における変化を検出する工程とを包含する。種々の実施形態では、このヒト血液凝固活性は、血液凝固因子の発現、血液凝固活性、およびタンパク質結合活性からなる群より選択される。関連の実施形態では、この血液凝固因子はvWFであり、かつこの凝固因子活性はFVIII結合である。] [0040] 別の局面では、本発明は、少なくとも1つのヒト血液凝固因子を発現する非ヒトトランスジェニック動物である実験的動物モデルであって、この動物は(天然の)血液凝固因子が投与される場合ヒト血液凝固因子に対して顕著な抗体力価を生じることのない、実験的動物モデルを提供する。しかし、この動物モデルは、血液凝固因子が新抗原を担持する場合、または血液凝固因子が先天性免疫系を活性化する不純物と一緒に注射される場合、この血液凝固因子に対する抗体を産生する。一実施形態では、この動物は、後天性の血液凝固因子障害の誘導の影響を受けやすい。] [0041] 一実施形態では、この動物モデルは、後天性血友病Aの実験的動物モデルである。後天性血友病Aは、新抗原を担持するヒトFVIIIを注射することによって、またはトール様レセプターについてのリガンドとともにヒトFVIIIを注射することによって誘導される。関連の実施形態では、この動物モデルは、後天性血友病Bの実験動物モデルである。] [0042] さらなる実施形態では、実験的動物モデルは第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択される、ヒト血液凝固因子を含む。] [0043] さらなる局面では、本発明は、血液凝固因子に対する寛容の破壊を誘導する薬剤(寛容破壊剤(tolerance−breaking agent))を特定するための方法を考慮し、この方法は以下:ヒト血液凝固因子を発現し、かつヒト血液凝固因子に対する有意な抗血液凝固因子応答を欠いている本明細書に記載のトランスジェニック非ヒト動物に対して候補剤を投与する工程と、トランスジェニックである動物にこのヒト血液凝固因子を投与する工程と;この動物中で抗血液凝固因子応答を検出する工程とを包含し、ここで、この候補剤は、この候補剤の投与が抗血液凝固因子応答の発生させる場合、寛容破壊剤である。] [0044] 一実施形態では、抗血液凝固因子応答は、抗血液凝固因子インヒビターの産生である。関連の実施形態では、この応答は、免疫応答である。さらなる実施形態では、この免疫応答は、ヒト血液凝固因子に対する抗体の産生である。] [0045] 特定の実施形態では、この候補剤は、ペニシリン、フルダラビン、インターフェロンα、化学療法剤、抗生物質、抗精神病剤、トール様レセプターのリガンド、炎症促進性サイトカイン、およびインビボで炎症促進性サイトカインの放出を誘導する任意の他の化合物からなる群より選択される。] [0046] 一実施形態では、この血液凝固因子は、第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択される。] 図面の簡単な説明 [0047] 図1Aは、非ヒト動物ゲノムへの挿入のためのヒト第VIII因子ポリヌクレオチドを含んでいるプラスミドを図示している。図1Bは、非ヒト動物ゲノムへの挿入のためのヒト第VIII因子ポリヌクレオチドを含んでいるプラスミドを図示している。 図2Aは、非ヒト動物ゲノムへの挿入のためのヒトvWFポリヌクレオチドを含んでいるプラスミドを図示している。図2Bは、非ヒト動物ゲノムへの挿入のためのヒトvWFポリヌクレオチドを含んでいるプラスミドを図示している。 図3は、vWFインサートの配列を示しており、これはリーダー配列ならびに開始コドンおよび終止コドンを含んでいる(太字)(配列番号16)。 図3は、vWFインサートの配列を示しており、これはリーダー配列ならびに開始コドンおよび終止コドンを含んでいる(太字)(配列番号16)。 図4は、ヒト第VII遺伝子を含んでいるベクターを図示する。 図5Aは、ヒトFVIIIのマウストランスジェニックの異なる亜系統における抗FVIII抗体産生を示す。亜系統Gのマウスは、4回(図5A)または8回(図5B)のいずれかの毎週用量を与えた場合、抗FVIII抗体を生成した。亜系統EおよびIのマウスはいずれの用法でも抗FVIII抗体を生成しなかった。図5Bは、ヒトFVIIIのマウストランスジェニックの異なる亜系統における抗FVIII抗体産生を示す。亜系統Gのマウスは、4(図5A)または8(図5B)の毎週用量のいずれかを与えた場合、抗FVIII抗体を生成した。亜系統EおよびIのマウスはいずれの用法でも抗FVIII抗体を生成しなかった。 図6は、ヒトFVIIIについてトランスジェニックなマウスの異なる亜系統における、異なるIgGサブクラスおよびIgAの抗FVIII抗体産生を示す。亜系統Gにおけるマウスは、8回の毎週用量を与えた場合、IgGサブクラスIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2cの抗FVIII抗体を作製した(図6A)。亜系統Eのマウスは、どのIgGサブクラスの抗FVIII抗体も生成しなかった(図6B)。亜系統Iの4匹のマウスのうち1匹が、IgGサブクラスIgG1、IgG2a、IgG2bの抗FVIII抗体を作製した(図6C)。 図7は、天然のFVIIIまたは新抗原を担持しているFVIIIのいずれかの4回の毎週用量の適用後ヒトFVIII導入遺伝子(亜系統E)を発現するマウスでの抗FVIII抗体産生を図示する。 図8は、外因性のヒトFVIIを投与された後のヒトFVIIを発現するトランスジェニックマウスでの、およびコントロールマウスでの抗体産生を図示する。] 図1A 図1B 図2A 図2B 図4 図5A 図5B 図6 図6A 図6B [0048] 発明の詳細な説明 本発明は、血液凝固障害を処置するために有用な改良された組成物に関する当該分野での必要性、ならびに外因性に投与された血液凝固因子組成物に対する応答で作製され得る抗体についてスクリーニングする方法に取り組む。本発明はまた、ヒト血液凝固因子を発現するトランスジェニック動物を、ある場合には、その動物に対して内因性の血液凝固因子および必要に応じて1つ以上のヒト主要組織適合性複合体遺伝子の代わりに、提供して、ヒト血液凝固因子治療剤に対する抗体の発達を分析する。] [0049] 定義 他に規定しない限り、本明細書に用いられる全ての技術的および科学用語は、本発明が属する当該分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。以下の引用文献によって、本発明で用いられる多くの用語の一般的定義が当業者に示される:Singletonら、DICTIONARY OFMICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY(第2版、1994);THECAMBRIDGE DICTIONARY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY(Walker編、1988);THE GLOSSARY OF GENETICS,第5版、R.Riegerら(編)、Springer Verlag(1991);ならびにHaleおよびMarham,THEHARPERCOLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY(1991)。] [0050] 各々の刊行物、特許出願、特許、および本明細書に引用される他の参考文献は本開示と矛盾しない程度までその全体が出典明記によって援用される。] [0051] 本明細書および添付の特許請求の範囲に用いる場合、単数形「1つの、ある(不定冠詞:a、an)」および「この、その(定冠詞:the)」は、状況が明らかに別段示すのでない限り、複数の言及を包含する。] [0052] 本明細書において用いる場合、以下の用語は、別段の明記が無い限りそれらに帰せられる意味を有する。] [0053] 本明細書において用いる場合、RNA、ポリペプチド、タンパク質または酵素などの発現産物を「コードする配列」または「コードする」配列とは、発現された場合、そのRNA、ポリペプチド、タンパク質または酵素の産生を生じるヌクレオチド配列であり、すなわち、このヌクレオチド配列は、そのポリペプチド、タンパク質または酵素のアミノ酸配列をコードする。タンパク質のコード配列は、開始コドン(通常はATG)および終止コドンを含む場合がある。] [0054] 本明細書において用いる場合、「遺伝子」とは、1つ以上のポリペプチド、タンパク質または酵素の全てまたは一部を含むアミノ酸をコードするDNA配列またはそのアミノ酸の特定の配列を指し、かつイントロン、および調節性DNA配列、例えば、プロモーターまたはエンハンサー配列、5’非翻訳領域、または3’−非翻訳領域(これは、例えば、遺伝子が発現される条件に影響する)を含んでも含まなくてもよい。構造的遺伝子ではないいくつかの遺伝子は、DNAからRNAに転写される場合があるが、アミノ酸配列には翻訳されない。他の遺伝子は、構造遺伝子の調節因子として、またはDNA転写の調節因子として機能し得る。] [0055] 本明細書において用いる場合、「プロモーター」または「プロモーター配列」とは、細胞中のRNAポリメラーゼに結合し得、かつコード配列の転写を開始し得るDNA調節領域である。一局面では、このプロモーター配列は、転写開始部位によってその3’末端で結合され、上流(5’方向)に伸びてバックグラウンドを超える検出可能なレベルで転写を開始するのに必要な最小数の塩基またはエレメントを含む。関連の局面では、プロモーター配列内に転写開始部位(ヌクレアーゼS1でマッピングすることによって例えば都合よく規定される)、およびRNAポリメラーゼの結合を担うタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が見出される。プロモーターは、エンハンサーおよびリプレッサー配列を含んでいる他の発現制御配列と作動可能に会合されてもよい。] [0056] 一局面では、遺伝子発現を制御するために用いられるプロモーターとしては限定するものではないが、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(米国特許第5,385,839号および同第5,168,062号)、SV40早期プロモーター領域(BenoistおよびChambon,Nature 290:304−3101981)、ラウス肉腫ウイルスの3’長末端反復配列に含まれるプロモーター(Yamamotoら、Cell 22:787〜797,1980)、ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:1441〜1445,1981)、メタロチオネイン遺伝子の調節性配列(Brinsterら、Nature 296:39〜42,1982);酵母および他の真菌由来のプロモーターエレメント、例えば、Gal 4プロモーター、ADC(アルコール脱水素酵素)プロモーター、PGK(ホスホグリセロールキナーゼ)プロモーター、アルカリホスファターゼプロモーター;および神経または脳特異的な発現を呈する転写制御領域、例えば、視床下部で活性な性腺刺激放出ホルモン遺伝子制御領域(Masonら、Science 234:1372〜1378,1986)、Thy1.2「汎ニューロン(pan−neuronal)」プロモーター、およびスナプシンIプロモーター(Howlandら、Brain Neurobiol Aging 16:685〜699,1995)(ニューロンで活性)が挙げられる。プロモーターは内因性の血液凝固因子プロモーターであるということも考えられる。当該分野の作業者は、当該分野で公知の任意のプロモーターが有用であること、および発現が所望される細胞タイプが特定のプロモーターの使用を決定づけることができることを理解するであろう。] [0057] 本明細書において用いる場合、コード配列は、RNAポリメラーゼがコード配列をRNAに転写して、これが次にトランスRNAスプライシングされて(イントロンを含む場合)翻訳され、mRNAの場合には、コード配列によってコードされるタンパク質に翻訳されるとき、細胞中の転写および翻訳の制御配列「の制御下である」、「に作動可能に連結されている」または「と作動可能に会合されている」。] [0058] 本明細書において用いる場合、「発現する」および「発現」という用語は、対応する遺伝子またはDNA配列の転写および翻訳に関与する細胞機能を活性化することによって、遺伝子またはDNA配列中の情報を顕在化することを可能にするか顕在化すること、例えば、タンパク質を産生することを指す。DNA配列は、タンパク質などの「発現産物」を形成するために細胞中でまたは細胞によって発現される。この発現産物自体、例えば、得られたタンパク質はまた「発現される」と言うこともできる。発現産物は、種々の局面では、細胞内、細胞外または分泌型として特徴付けられる。「細胞内」という用語は、細胞の内側を意味する。「細胞外」という用語は、細胞の外側、例えば、膜貫通タンパク質を意味する。ある物質は、細胞の外側に、細胞のいずれかから、または細胞の内側に有意な値で出現する場合、その細胞によって「分泌される」。] [0059] 本明細書において用いる場合、「トランスフェクション」とは、細胞への外来核酸の導入を指す。「形質転換」という用語は、「外来」(すなわち、外因性、異種、非本質的または細胞外)遺伝子、DNAまたはRNA配列の胚性幹(ES)細胞または前核への導入であって、その結果その細胞が導入された遺伝子または配列を発現して、トランスジェニック動物中の所望の物質を生じるような導入を指す。] [0060] 本明細書において用いる場合、「ベクター」、「クローニングベクター」および「発現ベクター」という用語は、DNAまたはRNA配列(例えば、外来遺伝子)が宿主細胞に導入され、それによって宿主を形質転換し、かつその導入された配列の発現(例えば、転写および翻訳)を促進するビヒクルを指す。「ベクター」という用語は、本明細書において「プラスミド」という用語と交換可能に用いられる。] [0061] 本明細書において用いる場合、「選択マーカー」とは、酵素または他のタンパク質をコードする遺伝子であって、この酵素または他のタンパク質が発現される細胞または生物体に対して、薬物、抗生物質または他の薬剤に対する耐性などの同定可能な表現型変化を付与し、その結果、このマーカーの発現または活性が(例えば、限定するものではないが、陽性マーカー、例えば、neo遺伝子)について、または(例えば、限定するものではないが、陰性マーカー、例えば、ジフテリア遺伝子)に対して選択される遺伝子を指す。異種の選択マーカーとは、正常には見出されないであろう動物のゲノムに挿入されている選択マーカー遺伝子を指す。] [0062] 選択マーカーの例としては限定するものではないが、抗生物質耐性遺伝子、例えば、ネオマイシン(neo)、ピューロマイシン(Puro)、ジフテリア毒素、ホスホトランスフェラーゼ(phcsphotransferase)、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼ、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼおよびヒポキサンチン・ホスホリボシルトランスフェラーゼが挙げられる。当該分野の当業者は当該分野で公知の任意の選択マーカーがこの方法で有用であることを理解するであろう。] [0063] 本明細書において用いる場合、「異種」とは、天然には存在しないエレメントの組み合わせを指す。例えば、異種DNAとは、通常は細胞内にも細胞の染色体部位にも位置していないDNAを指す。異種DNAは細胞に異種の遺伝子を含むと考えられる。異種の発現制御エレメントとは、自然に作動可能に連結されているものとは異なる遺伝子と作動可能に連結されているこのようなエレメントである。] [0064] 本明細書において用いる場合、「異種」という用語は、スーパーファミリー(例えば、免疫グロブリンスーパーファミリー)由来のタンパク質および種々の種由来の相同なタンパク質(例えば、ミオシン軽鎖など)を含む、「共通の進化起源」を保有するタンパク質の間の関係を指す(Reeckら、Cell 50:667,1987)。このようなタンパク質(およびそれらのコードする遺伝子)は、保存された位置での特定の残基またはモチーフの類似性パーセントの観点であろうとまたは存在の観点であろうと、それらの配列類似性によって反映される配列相同性を有する。] [0065] 比較のための配列の最適アラインメントを、例えば、限定するものではないが、Smith & Waterman,Adv.Appl.Math.2:482,1981の局所相同性アルゴリズムによって;Needleman & Wunsch,J.Mol.Biol.48:443,1970の相同性アラインメントアルゴリズムによって;Pearson & Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444,1988の類似性検索方法によって;これらのアルゴリズムのコンピューターによる実行によって(Wisconsin Genetics Software Package内のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI)、または視覚検査によって(一般には、Ausubelら、前出を参照のこと)行われる。配列同一性および配列類似性のパーセントを決定するために適切であるアルゴリズムの別の例はBLASTアルゴリズムであって、これは、Altschulら、J.Mol.Biol.215:403〜410,1990に記載されている。BLAST分析を行うためのソフトウェアはNational Center for Biotechnology Informationを通じて公的に入手可能である。配列同一性パーセントを計算することに加えて、BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列の間の類似性の統計学的分析を行う(例えば、Karlin & Altschul,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 90:5873〜5787,1993を参照のこと)。] [0066] 本明細書において用いる場合、「内因性」とは、宿主生物体で天然に発現されるか、または細胞、組織または生物体の中に由来するポリペプチドまたはポリヌクレオチドまたは他の化合物を指す。「外因性」とは、細胞、組織または生物体の外側に由来するポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは他の化合物を指す。] [0067] 本明細書において用いる場合、「ポリペプチド」とは、ペプチド結合を介して結合されたアミノ酸残基からなるポリマーを指す。合成ポリペプチドは一局面では、自動化ポリペプチドシンセサイザーを用いて合成される。「タンパク質」という用語は代表的には、大型のポリペプチドを指す。「ペプチド」という用語は代表的には短いポリペプチドを指す。] [0068] 本明細書において用いる場合、ポリペプチドの「フラグメント」とは、全長ポリペプチドまたはタンパク質発現産物よりも小さいポリペプチドの任意の一部を指す。フラグメントとは代表的には、全長ポリペプチドの欠失アナログであり、ここでは1つ以上のアミノ酸残基は、全長ポリペプチドのアミノ末端および/またはカルボキシ末端から除去されている。従って、「フラグメント」は、下に記載される欠失アナログのサブセットである。] [0069] 本明細書において用いる場合、「アナログ」とは、天然に存在する分子に対して、特定の状況にかかわらず種々の程度まで、構造が実質的に類似であって、かつ同じ生物学的活性を有しているポリペプチドを指す。アナログは、1つ以上の変異に基づいて、そのアナログが由来する天然に存在するポリペプチドに比較してそれらのアミノ酸配列の組成が異なり、この変異は、(i)ポリペプチドの1つ以上の末端での1つ以上のアミノ酸残基の欠失および/または天然に存在するポリペプチド配列の1つ以上の内部領域の欠失、(ii)ポリペプチドの1つ以上の末端での1つ以上のアミノ酸の挿入または付加(代表的には「付加」アナログ)および/または天然に存在するポリペプチド配列の1つ以上の内部領域(代表的には「挿入」アナログ)の挿入または付加、あるいは(iii)天然に存在するポリペプチド配列における他のアミノ酸についての1つ以上のアミノ酸の置換を含む。置換は、置換されているアミノ酸の物理−化学的または機能的な関連性および置換しているアミノ酸に基づいて保存的または非保存的である。] [0070] 本明細書において用いる場合、「対立遺伝子改変体」とは、同じ遺伝子座を占有している遺伝子の任意の2つ以上の多形相をいう。対立遺伝子改変体は、天然には、変異を通じて生じ、かつ集団内の表現型多型を生じ得る。特定の局面では、遺伝子変異は、サイレントである(コードされるポリペプチドに変化はない)か、または変更されたアミノ酸配列を有しているポリペプチドをコードしてもよい。「対立遺伝子改変体」はまた、遺伝子対立遺伝子改変体のmRNA転写物由来のcDNA、およびそれらによってコードされるタンパク質を指す。] [0071] 本明細書において用いる場合、「改変体」とは、正常には分子の一部ではない追加の化学部分を含むように改変されているポリペプチド、タンパク質またはそのアナログを指す。このような部分は、種々の局面において、分子の可溶性、吸収および/または生物学的半減期を調節する。この部分は種々の他の局面では、代替的には、分子の毒性を低下して、その分子の任意の望ましくない副作用を排除または減弱するなどである。このような効果を媒介できる部分は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1980)に開示される。この分子に対してこのような部分をカップリングするための手順は当該分野で周知である。例えば、この改変体は、タンパク質に対してインビボにおいてより長い半減期を付与する化学的修飾を有している血液凝固因子であってもよい。一実施形態では、このポリペプチドは、当該分野で公知の水溶性ポリマーの添加によって改変される。関連の実施形態では、ポリペプチドは、グリコシル化、PEG化および/またはポリシアル化によって修飾される。] [0072] 本明細書において用いる場合、「寛容(tolerance)」とは、例えば、レシピエントへの非自己MHC抗原の導入に対する応答においてそうでなければ生じるであろう抗原−レシピエントの免疫応答の欠如を指す。寛容とは、種々の局面では、体液性、細胞性または体液性および細胞性の応答の両方に関与する。寛容とは、本明細書において用いる場合、抗原または化合物に対する完全な免疫学的寛容、すなわち免疫応答なしを指すだけでなく、部分的な免疫学的寛容、すなわち、限定された免疫応答(これは化合物に対する応答を完全に排除も阻害もそうでなければ抑制もしない)も指す。例えば、いくつかの局面では、寛容性の被験体は、化合物に対して検出可能な免疫応答を呈するが、これは、同じ化合物に対して曝露された時の非寛容の被験体の免疫応答に比較して、有意に少ないか、または低下されている。] [0073] 本明細書において用いる場合、「寛容破壊」または「寛容を破壊する」とは、レシピエントが自然に寛容であるか、または生物学的手段を通じた誘導を介して寛容である抗原に対しての寛容が後天的になくなることを指す。寛容性が破壊された被験体は、レシピエントが以前に寛容であった抗原または化合物の存在に応答し、この抗原または化合物に対する応答は、寛容性が破壊されている被験体では検出可能である。一局面では、このレシピエントの応答は免疫学的応答である。] [0074] 「寛容(性)破壊剤」または「寛容(性)を破壊するための薬剤」とは、レシピエントに投与された場合、レシピエントが自然に寛容であるか、または生物学的手段を通じた誘導を介して寛容である抗原に対する応答の生成を可能にするか許容する薬剤である。特定の抗原についての寛容破壊剤としては、レシピエントの応答、例えば、ネガティブなまたは有害な応答、例としては、限定するものではないが、抗原が、寛容が破壊された後の被験体に投与された場合、その抗原に対するインヒビターの産生および/または抗−抗原免疫応答、例としては、抗体の産生を可能にするものであって、その被験体が以前に寛容であり、寛容破壊の前には有意な応答を呈さなかったものが挙げられる。] [0075] 候補の寛容破壊剤とは、抗−抗原応答、例えばインヒビターおよび/または抗−抗原抗体の産生の誘導を可能にする能力について試験された任意の薬剤である。この候補の薬剤は、天然に見出されるかまたは合成される。種々の局面では、候補剤は、化学ライブラリー、天然の生成物のライブラリー、またはコンビナトリアルライブラリーから選択される。化学ライブラリーは、公知の化合物の構造的アナログからなる。天然の産物のライブラリーとは、微生物、動物、植物もしくは海洋生物、またはそれらから単離されたタンパク質もしくは低分子のコレクションであり、これらは候補剤のスクリーニングのための混合物を作製するために用いられる。コンビナトリアルライブラリーは、多数のペプチド、オリゴヌクレオチドまたは有機化合物からなる。化学的ライブラリー、天然の産物のライブラリー、またはコンビナトリアルライブラリーを作製または合成する方法は、当該分野で公知である。さらに、化学ライブラリーおよびコンビナトリアルライブラリーは市販されている。特定の実施形態では、この候補剤は、化学療法剤、抗生物質、抗精神病剤、ペニシリン、フルダラビン、インターフェロンα、トール様レセプターのリガンド、炎症促進性サイトカインおよびインビボで炎症促進性サイトカインの放出を誘導する任意の他の化合物からなる群より選択される。しかし、この動物モデルは、血液凝固因子が新抗原を担持する場合この血液凝固因子に対する抗体を産生する。] [0076] 本明細書において用いる場合、「検出可能部分」または「標識」とは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的または他の方法によって検出可能な組成物を指す。例えば、有用な標識としては、32P、35S、蛍光色素、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAで通常用いられる)、ビオチン−ストレプトアビジン、ジゴキシゲニン、ハプテンおよびタンパク質(抗血清またはモノクローナル抗体が利用可能)、または標的に対して相補的な配列を有する核酸分子が挙げられる。検出可能部分はしばしば、測定可能なシグナル、例えば、放射性シグナル、色素生産性シグナル、または蛍光シグナルを生じ、これがサンプル中の結合した検出可能な部分の量を定量するために用いられる。] [0077] 血液凝固因子 第VIII因子(FVIII)とは哺乳動物の肝臓で作製される約260kDaの分子量の血漿の糖タンパク質である。これは、血液凝固をもたらす凝固反応のカスケードの重要な成分である。このカスケード内の工程では、第IXa因子がFVIIIと組み合されて、第X因子を活性型第Xa因子に変換する。第FVIIIはこの工程での補因子として作用し、第IXa因子の活性についてカルシウムイオンおよびリン脂質とともに必要である。2つの最も一般的な血友病障害は、機能的なFVIIIの欠損(血友病A、全ての症例のうち約80%)または機能的な第IXa因子の欠損(血友病Bまたはクリスマス因子疾患)によって生じる。] [0078] 近年までに、血友病Aの標準的な治療は、ヒトドナーの血漿由来のFVIII濃縮物の調製の頻繁な注入を包含する。この補充療法はかなり有効であるが、このような治療は、肝炎およびAIDSなどのウイルス媒介性疾患の危険に患者をさらす。このリスクは、モノクローナル抗体を用いる免疫精製による血漿からのFVIIIのさらなる精製によって、および有機溶媒または熱のいずれかでの処置によるウイルスの不活性化によって軽減されているが、このような調製物は、処置の費用を大きく増大し、リスクがなくなるわけではない。これらの理由のため、患者は予防的にではなく対症的に処置されている。さらなる合併症は患者のうち約15%が血漿由来のFVIIIに対する阻害性抗体を発症するということである。] [0079] 血友病Aの処置における重要な進歩は、ヒトFVIIIの完全な2,351個のアミノ酸配列をコードしているcDNAクローンの単離(Woodら、Nature,312:330(1984)および米国特許第4,757,006号,1988年7月12日を参照のこと)、ならびにヒトFVIII遺伝子DNA配列およびその作製のための組み換え方法の提供である。しかし、組み換えFVIIIを投与されている患者は、やはり疾患の処置を妨害するFVIII特異的抗体を発達させる場合がある。血友病の処置のための第VIII因子製品としては、限定するものではないが以下が挙げられる:ADVATE(登録商標)(Antihemophilic Factor (Recombinant),Plasma/Albumin−Free Method,rAHF−PFM)、組み換え抗血友病因子(BIOCLATE(商標)、GENARC(登録商標)、HELIXATEFS(登録商標)、KOATE(登録商標)、KOGENATE FS(登録商標)、RECOMBINATE(登録商標)):MONOCLATE−P(登録商標)、第VIII因子の精製調製物:C,抗血友病因子/フォン・ビルブラント因子複合体(Human)HUMATE−P(登録商標)およびALPHANATE(商標)、抗血友病因子/フォン・ビルブラント因子複合体(Human);およびHYATE C(登録商標)、精製されたブタ第VIII因子。] [0080] フォン・ビルブラント因子は、血漿中に、1×106〜20×106ダルトンという分子量の一連のマルチマー型で存在する。vWFは、哺乳動物の内皮細胞で主に形成される糖タンパク質であって、引き続き循環中に分泌される。この関係では、約220kDの分子量を有しているポリペプチド鎖から出発して、550kDの分子量を有しているvWF二量体は、いくつかのイオウ結合の形成によって細胞中で作製される。最大2千万ダルトンまで分子量が増大するvWFのさらなるポリマーを、連結によってvWF二量体から形成する。特に高分子量のvWF多量体は血液凝固において本質的な重要性を有すると推定される。] [0081] vWF症候群は、vWFの産生不足または過剰産生がある場合、臨床的に顕在化する。vWFの過剰産生は、血栓の増大を生じる(血管の内側の凝血または血栓の形成、血流の閉塞)が、高分子量型のvWFのレベル低下または欠失によって、血小板凝集および創傷閉鎖の阻害に起因する出血の増大および出血時間の延長が生じる。] [0082] vWF欠損はまた、表現型の血友病Aを生じ得る。なぜならvWFは機能的な第VIII因子の本質的な成分であるからである。これらの場合には、第VIII因子の半減期は、血液凝固カスケード中の機能が障害されるような程度まで短くなる。フォン・ビルブラント病(vWD)またはvWF症候群に罹患している患者は、高頻度に第VIII因子欠損を呈する。これらの患者では、第VIII因子活性の低下は、第X染色体遺伝子の欠損の結果ではないが、血漿中のvWFの定量的および定性的な変化の間接的な結果である。血友病AとvWDとの間の相違は通常、vWF抗原を測定することによって、またはリストセチン−補因子活性を決定することによって影響され得る。vWF抗原含量とリストセチン補因子活性の両方がほとんどのvWD患者で低下されるが、それらは血友病Aでは正常である。vWF症候群の処置のためのvWF産物としては、限定するものではないが以下が挙げられる:HUMATE−P;および、IMMUNATE(登録商標)、INNOBRAND(登録商標)、および8Y(登録商標)(これらの治療は、血漿由来のFVIII/VWF濃縮物を含んでいる)。] [0083] 第VII因子(プロコンバーチン)、セリンプロテアーゼ酵素は、血液凝固カスケード中の中央のタンパク質の1つである。第VII因子(FVII)の主な役割は、組織因子(TF)と組み合わせて凝固のプロセスを開始することである。血管損傷の際、TFは血液および循環中の第VII因子に曝される。一旦TFに結合すれば、FVIIは、種々のプロテアーゼによってFVIIaに対して活性化され、この中ではトロンビン(第IIa)、活性化第X因子およびFVIIa−TF複合体自体である。組み換えヒト第VIIa因子(NOVOSEVEN(登録商標))は、補充凝固因子に対するインヒビターを発達させた血友病患者での制御されない出血での使用のために導入されている。ヒト第VII因子を発現するトランスジェニック生物体は、Hwangら、(Mar Biotechnol 6:485〜92,2004)によって開発されており、これには、ヒトFVIIを発現するトランスジェニック魚を記載している。] [0084] 第IX因子(FIX,クリスマス因子)はセリンプロテアーゼであって、第XIa因子または第VIIa因子(組織因子経路の)によって活性化されない限り不活性である。第IXa因子中に活性化された場合、これは、第X因子におけるアルギニン−イソロイシン結合を加水分解することによって作用して、第Xa因子を形成する。第VIII因子は、FIXプロテアーゼ活性について必要な補因子である(Lowe G D,Br.J.Haematol.115:507−13,2002)。第IX因子の欠損は、血友病Bまたはクリスマス疾患を生じる。ヒト第IX因子を発現するトランスジェニック動物が開示されている。例えば、ヒツジの乳汁中にヒト第IX因子を発現するトランスジェニックヒツジを開示している、Schniekeら、(Science 278:2130〜33,1997)、およびトランスジェニックマウスにおけるヒトFIXの発現を開示するAlexanderら、(Hum Mol.Genet.4:993〜9,1995)を参照のこと。また、Biggerら、(Gene Ther.2006 13(2):117〜26,2006)は、いくつかの動物で最大1年までタンパク質に対する寛容を誘導する血友病Bのマウスモデルにおけるヒト第IX因子を発現する造血幹細胞の投与を開示する。Waddingtonら、(Blood.2003 101:1359〜66)は、レシピエントの動物においてヒトタンパク質に対する寛容を誘導するためのマウスに対するヒトFIXを発現するアデノウイルスベクターの子宮内投与を開示する。] [0085] 本発明の方法における使用に対して受け入れられる追加の血液因子としては、限定するものではないが、第II因子(当該分野ではトロンビンとして公知)(Genbank Accession No.NP_000497)(その欠損は、血栓およびプロトロンビン異常症を生じる);第V因子(Genbank Accession No.NP_000121)(その欠損は、出血性素因またはある形態の血栓形成傾向を生じ、活性化プロテインC耐性としても公知)、第XI因子(Genbank Accession No.NP_000119)(その欠損はローゼンタール症候群(C型血友病)を生じる)、および第XIII因子サブユニットA(Genbank Accession No.NP_000120)およびサブユニットB(Genbank Accession No.NP_001985)(その欠損はI型欠損(AおよびBサブユニットの両方の欠損)およびII型欠損(Aサブユニットのみの欠損)として特徴付けられ、そのいずれかが生涯にわたる出血傾向、創傷治癒欠陥を生じ得る)、ならびに習慣性流産第XII因子(Genbank Accession No.NP_000496);プロテインC(Genbank Accession No.NP_000303);抗トロンビンIII(Genbank Accession No.NP_000479)、およびその活性型が挙げられる。] [0086] ヒト血液凝固因子のフラグメント、改変体およびアナログ 血液凝固障害の処置においてヒト血液凝固因子タンパク質の治療上の有効性を評価するために、そのヒト血液凝固因子ポリペプチドまたはそのフラグメント、改変体もしくはアナログを本明細書に記載のトランスジェニックマウスに投与する。] [0087] ポリペプチドフラグメント、改変体またはアナログを調製するための方法は当該分野で周知である。ポリペプチドのフラグメントは、限定するものではないが、酵素的切断(例えば、トリプシン、キモトリプシン)を用いて調製し、また組み換え手段を用いて特異的なアミノ酸配列を有しているポリペプチドフラグメントを生成する。所望のフラグメントをコードしているポリヌクレオチドを用いて、リガンド結合ドメイン、レセプター結合ドメイン、二量体化もしくは多量体化ドメイン、または任意の他の当該分野で公知の特定可能なドメインなどの、特定の活性を有しているタンパク質の領域を含んでいるポリペプチドフラグメントを生成してもよい。] [0088] ポリペプチドアナログを作製する方法も周知である。ポリペプチドのアミノ酸配列アナログは、実質的、挿入性または欠失の改変体である。ポリペプチドのフラグメントを含んでいる欠失アナログは、機能または免疫原性の活性に必須ではない天然のタンパク質の1つ以上の残基を欠く。挿入性のアナログは、ポリペプチド中の非末端ポイントでの物質の付加を包含する。これは、免疫反応性エピトープまたは単なる単一の残基の挿入を包含し得る。] [0089] アナログは、それらが由来し、かつ本明細書に記載されている血液凝固因子に対して実質的に相同であっても、または実質的に同一であってもよい。意図されるアナログは、野性型ポリペプチドの生物学的活性、例えば、血液凝固活性の少なくともある程度を保持するものである。] [0090] 実質的なアナログは代表的には、タンパク質内の1つ以上の部位で野性型の1つのアミノ酸を別のものに交換し、他の機能または特性の喪失なしに、本明細書に記載されるようなポリペプチドの1つ以上の特性を調節するように設計されてもよい。一局面では、置換は保存的置換である。「保存的アミノ酸置換」とは、類似の化学的特徴の側鎖を有しているアミノ酸でのアミノ酸の置換を意味する。保存的置換を作製するための類似のアミノ酸としては、酸性の側鎖を有しているアミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸);塩基性の側鎖を有しているアミノ酸(アルギニン、リジン、ヒスチジン);極性のアミド側鎖(グルタミン、アスパラギン);疎水性、脂肪族側鎖(ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン);芳香族側鎖(フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン);小型の側鎖(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、メチオニン);または脂肪族ヒドロキシル側鎖(セリン、トレオニン)が挙げられる。] [0091] フラグメントおよびアナログをコードするポリヌクレオチドは、天然に存在する分子に対して同じまたは類似の生物学的活性を保有する天然に存在する分子の生物学的に活性なフラグメント改変体またはアナログをコードするように、当業者によって容易に作製できる。これは、PCR技術、DNAコード分子の消化などによって行うことができる。従って、当業者は、DNA鎖における単一塩基の変化を作製して、変化されたコドンおよびミスセンス変異を生じることができるであろう。] [0092] 例示的な血液凝固因子アナログは、例えば、出典明記によって本明細書に援用されている、米国特許第6,346,513号、米国特許第6,316,226号、米国特許第6,156,888号、米国特許第6,130,203号、および米国特許第6,958,322号に記載されている。] [0093] 考慮されるヒト血液凝固因子改変体としては、ユビキチン結合、グリコシル化、治療剤または診断剤へのコンジュゲーション、標識(例えば、放射性各種または種々の酵素を用いる)、ポリマー共有結合、例えばPEG化(ポリエチレングリコールでの誘導体化)、非加水分解性結合の誘導、およびヒトのタンパク質に正常には存在しないオルニチンなどのアミノ酸の化学合成による挿入または置換などの技術によって化学的に改変されたポリペプチドが挙げられる。改変体は、本発明の非改変分子の結合特性を保持する。] [0094] PEG化された血液凝固因子アナログを調製することは一般には、(a)結合構築物ポリペプチドが1つ以上のPEG基に結合するような条件下でポリペプチドとポリエチレングリコール(例えば、PEGの反応性エステルまたはアルデヒド誘導体)とを反応させる工程、および(b)この反応産物(単数または複数)を得る工程を包含する。一般には、アシル化反応の最適反応条件は、公知のパラメーターおよび所望の結果に基づいて決定される。例えば、PEG:タンパク質の比が大きいほど、ポリ−PEG化産物の割合が大きい。いくつかの実施形態では、結合構築物は、N末端で単一のPEG部分を有する。] [0095] ポリエチレングリコール(PEG)を、血液凝固因子に結合して、インビボでのより長い半減期を得ることができる。PEG基は、任意の都合のよい分子量であってもよく、直線であっても分枝であってもよい。PEGの平均分子量は、約2キロダルトン(「kD」)〜約100kDa、約5kD〜約50kDa、または約5kDa〜約10kDaにおよぶ。PEG基は、血液凝固因子上の反応性基(例えば、アルデヒド、アミノまたはエステル基)に対するPEG部分上の天然または操作された反応性基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオールまたはエステル基)を通じたアシル化または還元性のアルキル化を介して、あるいは当該分野で公知の任意の他の技術によって、血液凝固因子に結合される。] [0096] 本発明の方法で有用なポリペプチド改変体としては、ポリシアリレート(PSA)部分を含むポリペプチドが挙げられる。ポリシアリレート化ポリペプチドを調製するための方法は、米国特許出願公開20060160948およびSaenkoら、Haemophilia 12:42〜51,2006に記載されている。] [0097] 本発明の方法における使用のためのヒト血液凝固因子は、ポリペプチドである第二の薬剤との融合タンパク質であってもよいとさらに考えられる。一実施形態では、ポリペプチドである第二の薬剤は限定するものではないが、酵素、成長因子、サイトカイン、ケモカイン、細胞表面レセプター、細胞表面レセプターの細胞外ドメイン、細胞接着分子または上記のタンパク質のフラグメントもしくは活性ドメインである。関連の実施形態では、この第二の薬剤は、血液凝固因子、例えば、第VIII因子、第VII因子、第IX因子およびフォン・ビルブラント因子である。この考慮される融合タンパク質は、当該分野で周知の化学的技術または組み換え技術によって作製される。] [0098] 投与のための血液凝固因子組成物 本明細書に記載される血液凝固因子ポリペプチド(フラグメント、アナログまたは改変体を含む)を試験被験体に投与するために、血液凝固因子ポリペプチドは、1つ以上の薬学的に受容可能なキャリアを含んでいる組成物中に処方される。「薬学的にまたは薬理学的に受容可能な」という句は、下記のように、当該分野で周知の経路を用いて投与した場合、アレルギーも他の有害反応も生じない分子的実態および組成物を指す。「薬学的に受容可能なキャリア」とは任意のかつ全ての臨床的に有用な溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが挙げられる。] [0099] さらに、化合物は、水または共有の有機溶媒との溶媒和物を形成し得る。このような溶媒和物も同様に考慮される。] [0100] 血液凝固因子組成物は、経口的に、局所的に、経皮的に、非経口的に、吸入スプレーによって、経膣的に、直腸的に、または頭蓋内注射によって投与され得る。非経口という用語は本明細書において用いる場合、皮下注射、静脈内、筋肉内、嚢内注射または注入の技術を包含する。静脈内、経皮、筋肉内、乳房内、腹腔内、くも膜下腔内、眼球後方、肺内の注射およびまたは特定部位での外科的移植も同様に考慮される。一般には、組成物は、発熱物質を本質的に含まず、レシピエントに有害であり得る他の不純物も含まない。] [0101] 薬学的組成物の処方物は、選択される投与経路(例えば、溶液、エマルジョン)に従って変化し得る。投与されるべき組成物を含む適切な組成物は、生理学的に受容可能なビヒクルまたはキャリア中で調製される。溶液またはエマルジョンについては、適切なキャリアとしては、例えば、水溶液またはアルコールの溶液/水溶液、エマルジョンまたは懸濁液が挙げられ、これには生理食塩水および緩衝化媒体が挙げられる。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、リンガーのデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液または固定油を挙げることができる。静脈内ビヒクルは、種々の添加物、防腐剤または液体、栄養物または電解質補充物を含み得る。] [0102] 活性成分として血液凝固因子を含んでいる本発明の方法で有用な薬学的組成物は、投与経路次第で薬学的に受容可能なキャリアまたは添加物を含んでもよい。このようなキャリアまたは添加物の例としては、水、薬学的に受容可能な有機溶媒、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチル・デンプン・ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、薬学的に受容可能なサーファクタントなどが挙げられる。用いられる添加物は、本発明の剤形に依存して、必要に応じて、限定するものではないが、上記またはそれらの組み合わせから選択される。] [0103] 種々の水性キャリア、例えば、水、緩衝化水、0.4%の生理食塩水、0.3%のグリセリン、または水性懸濁液は、水性懸濁物の製造に適切な賦形剤と組み合わせて活性な化合物を含み得る。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、およびアカシアゴムであり;分散剤または湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチル−エネオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分的エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分的エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレアートであってもよい。水性懸濁液はまた、1つ以上の防腐剤、例えば、エチル、またはn−プロピル、p−ヒドロキシベンゾアートを含んでもよい。] [0104] いくつかの実施形態では、血液凝固因子組成物は、貯蔵のために凍結乾燥されて、使用前に適切なキャリア中で再構成される。この技術は、従来の免疫グロブリンによって有効であることが示されている。当該分野で公知の任意の適切な凍結乾燥および再構成技術を使用する。凍結乾燥および再構成は、種々の程度の抗体活性喪失をもたらすこと、およびその使用レベルを調節して補償しなければならないことが当業者によって理解される。] [0105] 水の添加による水性懸濁液の調製に適切な分散性の粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および1つ以上の防腐剤と混合された活性化合物をもたらす。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、上記で既に言及されるものによって例示される。] [0106] 特定の実施形態では、これらの処方物における血液凝固因子の濃度は、例えば、約0.5%、通常は少なくとも約1重量%〜15または20重量%程度まで広範に変化し、かつ選択された特定の投与方式に従って主に、液体容積、粘度などに基づいて選択される。従って、例えば、限定するものではないが、非経口注射のための代表的な薬学的組成物は、最大1mlまでの滅菌緩衝化水および50mgの血液凝固因子を含むように作製される。静脈内注入物の代表的な組成物は、250mlの滅菌リンゲル溶液および150mgの血液凝固因子を含むように作製されてもよい。非経口的に投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者に公知であるかまたは明らかであり、かつ例えば、Remington’s Pharmaceutical Science,第15版,Mack Publishing Company,Easton,Pa.(1980)にさらに詳細に記載されている。二重特異性抗体の有効投与量は、1投与あたり体重1kgあたり0.01mg〜1000mgの範囲内である。] [0107] 種々の局面では、薬学的組成物は、無菌の注射可能な溶液または分散液の即時的な調製のための滅菌の注射用水溶液、油性懸濁液、分散または滅菌の粉末の形態である。この懸濁物は、上述されている適切な分散または湿潤剤および懸濁剤を用いて公知の技術に従って処方され得る。無菌の注射可能な調製物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌の注射溶液または懸濁液であってもよい。いくつかの実施形態では、このキャリアは、溶媒または分散媒体であり、これは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール、など)、その適切な混合物、植物油、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の固定油は溶媒または懸濁培地として都合よく使用される。この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含んでいる任意の無刺激性の固定油を使用してもよい。さらに脂肪酸、例えば、オレイン酸は、注射可能な調製物において用途を見出す。] [0108] 全ての場合、この形態は、無菌でなければならず、かつ容易な注射能力がある程度まで液体でなければならない。この適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合には必要な粒子サイズの維持によって、およびサーファクタントの使用によって維持される。これは、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、かつ細菌および真菌などの微生物の混入作用に対して保護されなければならない。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらされる。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが所望されるであろう。特定の局面では、注射可能な組成物の長期の吸収は、吸収遅延剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成物中での使用によってもたらされる。] [0109] 投与に有用な組成物は、その有効性を増大するために取り込みまたは吸収のエンハンサーとともに処方され得る。このようなエンハンサーとしては、例えば、サリチル酸塩、グリココール酸/リノール酸、グリコレート、アプロチニン、バシトラシン、SDS、カプラートなどが挙げられる。例えば、Fix(J.Pharm.Sci.,85:1282〜1285,1996)ならびにOliyaiおよびStella(Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.,32:521〜544,1993)を参照のこと。] [0110] さらに、この方法または本発明における使用について意図される組成物の親水性および疎水性の特性は、十分バランスがとれており、それによってインビトロおよび特にインビボの使用の両方についてその有用性が向上するが、このようなバランスを欠く他の組成物は、実質的に有用性が低い。詳細には、本発明における使用について意図される組成物は、水性媒体中で適切な程度の溶解度を有し、これによって身体中での吸収および生体利用性か可能になるがまた、脂質中である程度の溶解度を有しており、これによって、この化合物は細胞膜を横切って作用の推定部位に対して移動することが可能になる。] [0111] トランスジェニック動物の準備 一般には、本発明のトランスジェニック動物は、ヒト以外の任意の形質転換可能な種を包含する。特に目的なのは哺乳動物であり、これには、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、スナネズミ(アレチネズミ)、モルモット、およびブタなどの公知の形質転換可能な種が挙げられる。なぜなら形質転換方法が開発されているからであり、これにはウシおよび非ヒト霊長類を含む。] [0112] 本発明のトランスジェニック動物は、少なくとも1つの外来遺伝子がゲノムに挿入されている遺伝子操作された動物である。これらの動物によって、他の試験系では達成できない、全身的および特異的な方式で、細胞レベルに対する調節性のプロセスを検査して支配することが可能になる。記載されたタイプのトランスジェニック動物は、治療的な血液凝固因子の投与のインビボ効果を分析するために有用であり、この血液凝固因子としては、限定するものではないが、第VIII因子(FVIII)、第VII因子(FVII)、第IX因子(FIX)、フォン・ビルブラント因子(vWF)、第II因子(FII)、第V因子(FV)、第X因子(FX)、第XI因子、(FXI)、第XII因子(FXII)および第XIII因子(FXIII)が挙げられる。トランスジェニック動物は、推定上の寛容宿主免疫系の状況での抗自己抗体の発達を生じることに対する、化合物、すなわち精製された凝固タンパク質またはその改変体の効果を評価するために優れたモデルとして役立つ。このような理解は、限定するものではないが、血友病、フォン・ビルブラント症候群などを含む血液凝固障害の処置のための因子の設計および試験に必須である。] [0113] さらに特定の局面では、ヒト血液凝固因子を発現するトランスジェニック動物はまた、ヒト組織適合性複合体(MHC)遺伝子も発現すると考えられる。MHC遺伝子は、細胞表面上の外来抗原を発現すること、およびCD8+(MHCクラスI)またはCD4+(MHCクラスII)T細胞のいずれかに対して抗原を提示することに関与する。ヒトMHCクラスIトランスジェニックマウス(Escobarら、Clin Exp Immunol.116:214〜9,1999)およびヒトMHCクラスIIトランスジェニックマウス(WO 2006/056769およびFuggerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.91,6151〜6155,1994)の両方とも、当該分野で記載されており、その開示は出典明記によって本明細書に援用される。] [0114] ヒトMHCクラスII遺伝子としては、非ヒトトランスジェニック動物での発現に適切な任意のヒト白血球抗原(HLA)遺伝子が挙げられ、これには限定するものではないが、HLA−DQ、HLA−DR、HLA−DP−、HLA−DO、LMP、TAPおよびTAPBP(MHCConsortium,Nature 401:921〜923,1999,出典明記によって本明細書に援用される)が挙げられる。] [0115] 本明細書の導入遺伝子は、天然の調節(発現制御)配列に隣接するか、または異種配列に会合している、ヒト血液凝固因子またはヒトMHCクラスII遺伝子タンパク質のコード配列(例えば、cDNA、合成コード配列、またはゲノムDNA)を含み、この配列は、プロモーター、内部リボソーム侵入部位(IRES)および他のリボソーム結合部位配列、エンハンサー、応答エレメント、サプレッサー、シグナル配列、ポリアデニル化配列、イントロン、5’非コード領域および3’非コード領域などを含む。このコード配列はまた、当該分野で公知の多くの手段によって修飾され得る。このような修飾の非限定的な例としてはメチル化、「キャップ」、1つ以上の天然に存在するヌクレオチドのアナログでの置換、およびヌクレオチド間修飾、例えば、非荷電結合を有するもの(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、カルバメートなど)および荷電された結合を有するもの(例えば、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアートなど)が挙げられる。ポリヌクレオチドは、特定の局面では、1つ以上の追加の共有結合部分、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)、キレーター(例えば、金属、放射性金属、鉄、酸化金属など)およびアルキレーターを含む。ポリヌクレオチドはメチルもしくはエチルホスホトリエステルまたはアルキスホスホラミダート結合の形成によって誘導体化され得る。さらにいくつかの実施形態では、本明細書のポリヌクレオチドは、検出可能シグナルを提供できる標識を用いて直接または間接的に修飾される。例示的な標識としては、放射性同位体、蛍光分子、ビオチンなどが挙げられる。] [0116] 遺伝子発現の制御は、当該分野で周知の種々の方法によって達成される。導入遺伝子の発現は、代表的には、所定の設定の条件、例えば、所定の化合物もしくは特定の物質の存在、または環境的な状態、例えば、組織型もしくは温度における変化に対して応答性であるプロモーターを選択することによって、構成的であるか、または公知の手段によって誘導性または抑制可能であるように調節される。「誘導性発現」という用語は、規定の条件下で遺伝子発現が生じるための任意の手段におよび、この手段および条件の選択は、宿主生物の利便性および妥当性に基づいて選択されている。] [0117] 形質転換は、その生物体の細胞のおよびその生物学の特徴に対して依存する種々の公知の技術によって行われる。安定な形質転換とは、細胞へのおよび細胞核へのDNA進入を包含する。単一の細胞から再生される生物(これはいくつかの哺乳動物を含む)については、形質転換が、インビトロの培養で行われ、続いて形質転換体の選択および形質転換体の再生が行われる。細胞へDNAまたはRNAを移入するために高頻度に用いられる方法としては、マイクロインジェクション、微粒子銃ボンバードメント(particle gum bombardment)、陽イオン性脂質、リポソームまたは他のキャリア物質とのDNAまたはRNA複合体の形成、エレクトロポレーション、ならびに形質転換DNAまたはRNAのウイルスベクターへの組み込みが挙げられる。他の技術が当該分野で公知である。細胞核へのDNA移入は、細胞プロセスによって生じ、しばしば適切なベクターの選択によって、細胞内トランスポザーセもしくはリコンビナーゼによって作用される際に、組み込み部位配列を含むことによって、補助され得る(例えば、[Craig,Ann.Rev.Genet.1988,22:77;Cox.In Genetic Recombination(R.Kucherlapati and G.R.Smith,編集)1988,American Society for Microbiology,Washington,D.C.,429〜493頁;Hoess.In Nucleic Acid and Molecular Biology(F.EcksteinおよびD.M.J.Lilley編集)Vol.4,1990,Springer−Verlag,Berlin,第99〜109頁を参照のこと。] [0118] 種々のES細胞が由来するマウス株の遺伝的バックグラウンドは当該分野で公知であり、これにはマウス株129に由来するES細胞:亜株129/Svと129/Sv−CPとの間の交雑由来のマウス胚盤胞に由来するR1細胞(Nagyら、Proc Natl Acad Sci USA.90:8424〜8,1993);129/Sv/Ev由来のGS1細胞が挙げられる。D3細胞(Doetschmanら、Nature 330:576〜8,1987)およびJ1細胞は、129/Svまたは129/terSvに由来する。これもESマウスを生じたTT2細胞は、F1ハイブリッド株(C57BL/6×CBA)(Yagiら、Anal Biochem.14:70〜6,1993)に由来した。] [0119] いくつかの局面での血液凝固因子を発現するために用いられる発現ベクターおよび核酸はまた、組織特異的なプロモーターを含む。このようなプロモーターは当該分野で公知であり、限定するものではないが、肝臓特異的プロモーター類(例えば、アルブミン;Miyatakeら、J.Virol.1:5124〜32,1997;α−フェトプロテイン)、筋特異的プロモーター類(例えば、ミオシン軽鎖1(Shiら、Hum Gene Ther.8:403〜10,1997,α−アクチン)、膵臓特異的プロモーター(例えば、インスリンまたはグルカゴンプロモーター類)、神経特異的プロモーター類(例えば、チロシンヒドロキシラーゼプロモーターまたはニューロン特異的エノラーゼプロモーター)、内皮細胞特異的プロモーター類(例えば、フォン・ビルブラント因子;Ozakiら、Hum Gene Ther.7:1483〜90,1996)、ならびに平滑筋細胞特異的プロモーター類(例えば、22a;Kimら、J Clin Invest.100:1006〜14,1997)が挙げられる。他の組織特異的プロモーター類としては、ガン治療を開発するのにも用いられるプロモーター類が挙げられ、これにはチロシン特異的プロモーター類(Diazら、J.Virol.72:789〜95,1998)、ヒトアロマターゼチトクロームp450由来の脂肪組織プロモーター(p450arom)(米国特許第5,446,143号;Mahendrooら、J.Biol.Chem.268:19463 19470,1993;およびSimpsonら、Clin.Chem.39:317 324,1993を参照のこと)が挙げられる。このプロモーターは、内因性の血液凝固因子プロモーターであるとさらに考えられる。本発明の方法で有用なベクターおよび他の核酸分子としては、導入遺伝子の一時的発現を制限する配列も挙げることができる。例えば、導入遺伝子は、薬物誘導性プロモーターによって、例えば、プロモーターにcAMP応答エレメントエンハンサーを含むことおよびトランスフェクトまたは感染された細胞をcAMP調節薬で処理することによって制御される(Suzukiら、Hum Gene Ther.7:1883〜93,1996)。あるいは、リプレッサーエレメントは、薬物の存在下で転写を予防し得る(Huら、Cancer Res 57:3339〜43,1997)。発現の空間的制御はまた、erg1遺伝子プロモーターと組み合わせて電離放射線(放射線治療)を用いることによっても達成されている(Seungら、Cancer Res 55:5561〜5,1995)。] [0120] ヒト血液凝固因子類またはヒトMHCクラス遺伝子類をコードする組み換え核酸構築物は、増幅のために任意の適切なプラスミド、バクテリオファージ、またはウイルスベクター中に挿入されてもよく、それによって当該分野で公知の方法、例えば、Molecular Cloning A Laboratory Manual,第2版、Sambrook,FritschおよびManiatis(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989)を用いて増殖されてもよい。一実施形態では、真核細胞、例えば、脊椎動物細胞と適合性の発現ベクターを用いる。真核生物細胞発現ベクターは、当該分野で周知であり、市販の供給源から入手可能である。意図される発現ベクターは、真核生物配列(細菌中のベクターの増殖を容易にするため)および1つ以上の真核生物転写単位(ブタの細胞中で機能的な)の両方を含む。代表的にはこのようなベクターは、所望の組み換えDNA分子の挿入のために都合のよい制限部位を提供する。pcDNAI、pSV2、pSVK、pMSG、pSVL、pPVV−1/PML2dおよびpTDT1(ATCCNo.31255)由来のベクターは、非ヒト細胞のトランスフェクションのために適切な哺乳動物発現ベクターの例である。これらのベクターのいくつかを、pBR322などの細菌プラスミド由来の配列で改変して、原生動物細胞および真核生物細胞の両方で複製および薬物耐性選択を容易にする。あるいは、ウシパピローマウイルス(BPV−1)、またはエプスタイン・バーウイルス(pHEBo,pREP−由来およびp205)などのウイルスの誘導体を、ブタ細胞でのタンパク質の発現に用いる。宿主細胞のプラスミドおよび形質転換の調製に使用される種々の方法が当該分野で周知である。本発明で有用な他の適切な発現系について、および一般的な組み換え手順については、Molecular Cloning A Laboratory Manual,第2版.Sambrook,FritschおよびManiatis(Cold Spring Harbor Laboratory Press:1989)を参照のこと。] [0121] トランスジェニック動物、特にマウスまたはラットを作製するための技術は周知である(Gordon,International Review of Cytology 115:171〜229,1989)。導入遺伝子を導入するための種々のアプローチが利用可能であり、これには、細胞への核酸のマイクロインジェクション、レトロウイルスベクター方法、および胚性幹(ES)細胞への遺伝子移入が挙げられる。受精した卵母細胞を、トランスジェニック動物を作製するために用いる場合、所望の外来DNAまたは導入遺伝子を卵母細胞に組み込む。卵母細胞への導入遺伝子の組み込みは、適切なレトロウイルスベクターを介して、またはマイクロインジェクションによってなどのいくつかの方法で行う。トランスジェニックマウスは、Lederらに発行された米国特許第4,736,866号に記載のとおり、そして、「Manipulating the Mouse Embryo:A Laboratory Manual」,と題されたB.Hoganら、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.,U.S.A.(1986)によって示されるとおり、妊娠中のマウスから単離した胚盤胞へのDNAのマイクロインジェクションによって当該分野で慣用的に作製される。また、例えば、Harenら,Annu.Rev.Microbiol.53:245〜281,1999;Reznikoffら、Biochem.Biophys.Res.Commun.,266(3):729〜734,1999;Ivicsら,MethodsCell Bid.,60:99〜131,1999;Hallら、FEMS Microbiol.Rev.21:157〜178 1997も参照のこと。米国特許第6,492,575号は、ES細胞を形質転換し、この形質転換された細胞を四倍体胚盤胞に注入することによってトランスジェニックマウスを作製する方法を記載する。ヘテロ接合性の同胞を異種交配することによって、所望の遺伝子を担持しているホモ接合性の動物を得る。] [0122] さらに、Capecchiらは、導入遺伝子が胚性、胎児性または成体の多能性幹細胞中に組み込まれる方法を記載している(Science 244:1288〜1292,1991)。この方法では、胚性幹細胞はインビトロで培養された胚盤胞から単離される。これらの胚性幹細胞は、多くの細胞世代にわたって分化せずに培養中で安定に維持される。次いで導入遺伝子を、エレクトロポレーションまたは他の形質転換方法によって胚性幹細胞に組み込む。導入遺伝子を担持する幹細胞を選択して胚盤胞の内部細胞塊に注射する。次いで、胚盤胞を偽妊娠雌に移植する。胚盤胞の内部細胞塊の全ての細胞が導入遺伝子を担持するのではないので、その動物は導入遺伝子に関してキメラである。キメラ動物の異種交配によって、導入遺伝子を担持している動物の作製が可能になる。このプロセスの概説は、Capecchi,Trendsin Genetics 1989,5:70〜76によって提供される。] [0123] 導入遺伝子の送達は、レトロウイルス送達系によって達成され得る。例えば、Eglitisら、Adv.Exp.Med.Biol.241:19,1988を参照のこと。一局面では、レトロウイルス構築物はウイルスの構造遺伝子が単一の遺伝子で置換されているものであり、この遺伝子が次にウイルスの長末端反復(LTR)に含まれる調節性エレメントの制御下で転写される。種々の単一遺伝子ベクター骨格が用いられており、これにはモロニーマウス白血病ウイルス(Moloney murine leukemia virus)(MoMuLV)が含まれる。一実施形態では、内部プロモーターの制御下、選択マーカーの遺伝子および目的の第二の遺伝子などの異なる遺伝子の複数の挿入を可能にするレトロウイルスベクターは、このタイプの骨格由来である。例えば、Gilboa,Adv.Exp.Med.Biol.241:29,1988を参照のこと。] [0124] タンパク質産物の発現のためのベクターの構築のエレメントは当業者に公知である。レトロウイルスベクターからの効率的な発現は、Changら、Int.J.Cell Cloning 7:264,1989に概説される、SV40プロモーターまたはLTRプロモーターなどの「強力な」プロモーターを用いて転写を制御する場合に観察される。これらのプロモーターは、構成的であって、かつ組織特異的発現を一般には可能にしない。他の適切なプロモーターは本明細書に考察されている。] [0125] パッケージング細胞株の使用によって、産生された組み換えビリオンの有効性および感染性を増大できる。Miller,1990,Human Gene Therapy 1:5を参照のこと。マウスのレトロウイルスベクターは、遺伝子を効率的にマウス胚に(例えば、Wagnerら、1985,EMBO J.4:663;Griedleyら、TrendsGenet.3:162,1987),および造血幹細胞に(例えば、Lemischkaら、Cell 45:917〜927,1986;Dickら、Trends in Genetics 2:165〜170,1986を参照のこと)移入するために有用である。] [0126] 以前に可能であったよりもかなり高いウイルス力価の獲得を可能にする追加のレトロウイルス技術は、エコトロピックなパッケージング細胞株とアンホトロピックなパッケージング細胞株との間の連続的な移動による増幅、いわゆる「ピンポン」法を包含する。例えば、Kozakら、J.Virol.64:3500〜3508,1990;Bodineら、Prog.Clin.Biol.Res.319:589〜600,1989を参照のこと。さらに、ウイルス力価を増大するための技術によって、ウイルス産生細胞株との直接のインキュベーションよりもウイルス含有上清を使用して、効率的な形質導入を得ることが可能になる。例えば、Bodineら、Prog.Clin.Biol.Res.319:589〜600,1989を参照のこと。細胞DNAの複製が、宿主ゲノムへのレトロウイルスベクターの組み込みに必要であるので、例えば標的細胞を誘導して、増殖因子でのインビトロの処置によって割ること(例えば、Lemischkaら、Cell 45:917〜927,1986;Bodineら、Proc.Natl.Acad.Sci.86:8897〜8901,1989を参照のこと)、または5−フルオロウラシルに対してレシピエントを曝すこと(例えば、Moriら、Jpn.J.Clin.Oncol.14 Suppl.1:457〜463,1984)によって、活発に周期している幹細胞を標的する頻度を増大することが望ましい場合がある。] [0127] いくつかの実施形態では、動物への導入遺伝子の導入の間、導入遺伝子を内因性の遺伝子に挿入し、それによって内因性の遺伝子機能をノックアウトすることが考慮される。他の実施形態では、この外因性の遺伝子は、内因性の遺伝子の発現が保存されるような位置で動物ゲノムに挿入される。従って、このトランスジェニック動物は、動物に挿入されたヒト導入遺伝子ポリヌクレオチドに対応する内因性のポリヌクレオチドの全てを発現するか、または一部を発現してもよい。] [0128] 免疫原生事象を検出する方法 米国特許第5,470,560号および同第5,670,134号は、トランスジェニック哺乳動物に対して異種であり、内因性遺伝子として認識されているためにその動物に寛容である、目的のポリペプチドをコードするDNA配列を含有しているトランスジェニック哺乳動物を用いてタンパク質の免疫原性を検出するための方法を記載する。発現される導入遺伝子に対して類似または同一のポリペプチドを含む調製物は、寛容動物に対して投与され、ポリペプチドに特異的な抗体の発達はラジオイムノアッセイまたはELISAシステムを用いて決定される。米国特許第5,470,560号および同第5,670,134号に記載のシステムと異なり、本明細書に記載のトランスジェニック動物は、いくつかの実施形態では、内因性遺伝子の代わりにヒトタンパク質を発現する。] [0129] ヒト血液凝固因子導入遺伝子に特異的な抗体を特定するために有用なトランスジェニック動物は、コントロール動物における内因性タンパク質の正常な発現と同様のレベルでヒト血液凝固因子を発現し、ヒト導入遺伝子によってコードされるタンパク質に寛容であり、すなわちタンパク質が外因性に投与される場合にそのタンパク質に対する強力な免疫応答を生成できる。] [0130] 異種ポリペプチドに対して寛容であるトランスジェニック動物は、非寛容の動物における免疫応答を誘導するように計算された任意の方式で分析されるヒト血液凝固因子を含む調製物と接触される。一実施形態では、宿主動物は、ヒト患者のためのインビボの治療または診断の設定において、その調製物について意図する同じ投与経路、キャリアおよび投与頻度を用いて異種ポリペプチドと接触される。注射および緩衝液の投与量、経路およびスケジュールが患者で達成されないならば、これらのパラメーターは、前臨床の動物研究に、またはインビトロの実験に由来する。治療用タンパク質またはポリペプチドの場合、これは、薬理学的に受容可能な等張性のキャリア、例えば、生理食塩水、5%デキストロース、またはリン酸塩緩衝液中で非経口でも、筋肉内または皮下の投与であってもよい。免疫賦活薬またはアジュバントまたは新抗原を必要に応じて調製物に含んでもよい。治療または診断の投与量の複数の投与も評価される。一実施形態では、その調製物は、導入遺伝子によってコードされる異種ポリペプチドを含む。別の実施形態では、この調製物は、ヒト導入遺伝子によってコードされる異種血液因子ポリペプチドのフラグメント、改変体またはアナログを含む。] [0131] ある場合には、より大きい溶解度または安定性、酵素消化に対する耐性、改善された生物学的半減期、および当業者に公知の他の特徴などの所望の特徴を有しているポリペプチドフラグメント、改変体またはアナログの免疫原性を決定することが所望され得る。この場合、トランスジェニック動物を作製するためのトランスフェクションのために用いられるDNAは、異種ポリペプチドの天然の一次アミノ酸配列をコードするが、試験調製物は、天然の異種ポリペプチドのフラグメント、アナログまたは改変体である構造を有している異種ポリペプチドを含む。] [0132] さらなる実施形態では、本調製物は、ヒト導入遺伝子によってコードされる異種ポリペプチドとインビボで相互作用して動物で免疫原性または毒性の応答を生じると予想される治療剤または診断剤を含む。例えば、投与のための調製物は、別の治療剤に融合された異種タンパク質を含んでもよく、この因子は、当該分野で公知のポリペプチド、化学的部分、または他の治療剤であってもよい。] [0133] 試験調製物の免疫原性は必要に応じて、調製物中に存在する任意の天然型および/または変性型の免疫原性に比較される。これらの形態のタンパク質は、それぞれ陰性および陽性のコントロールである。このタンパク質は、100℃で1〜2分間の加熱、またはドデシル硫酸ナトリウム、7Mの塩化グアニジンもしくは8Mの尿素などの変性剤での処理など、当業者に公知の種々の手順によって正のコントロールのために変性される。正のコントロールによって、そのトランスジェニック動物は、構成的に天然ではないことを確実にするために処理されたタンパク質に対して応答する免疫レパートリーを有しているか否かが確認される。さらなる免疫原性の正のコントロールを、天然の試験タンパク質とアジュバントとを組み合わせることによって行い、トランスジェニック宿主における免疫応答を増強する。別の正のコントロールは、第三の供給源由来のポリペプチド、例えば、ウシ成長ホルモン、チャイニーズ・ハムスターtPAまたはブタ第VIII因子の使用である。特定の実施形態では、このアジュバントは、特に試験タンパク質の免疫原性を増強することが公知であるか、またはタンパク質の免疫原性を増強するために一般に用いられる任意のアジュバントである。2つの通常用いられる技術は、等容積のフロイント完全(FA)アジュバント(初回注射のため)もしくは不完全アジュバント(後の注射のため)を用いて水性緩衝液中でタンパク質を乳化すること、またはミョウバンを用いて溶液からタンパク質を同時沈殿することである。次いで、アジュバントおよびタンパク質の混合物をトランスジェニック動物に皮下または筋肉内注射する。注射スケジュールは、変更されてもよいが、タンパク質の免疫原性を試験するためには2週間隔での2つの注射が通常用いられる。試験される用量は、1注射あたり1〜1000μgにおよんでもよく、これには1注射あたり1、2、5、10、15、20、50、100、150、200、250、300、50、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950および1000μgが挙げられる。] [0134] イムノアッセイ中の検出因子は、検出可能部分または標識に連結されてもよい。検出可能部分または標識とは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的または化学的手段によって検出可能な組成物を指す。検出可能部分はしばしは、測定可能なシグナル、例えば、放射活性シグナル、色素生産性シグナルまたは蛍光シグナルを生じ、これを用いてサンプル中の結合した検出可能部分の量を定量する。いくつかの実施形態では、この検出可能部分は、共有結合的に、またはイオン結合、ファン・デル・ワールス結合または水素結合のいずれかによってプライマーまたはプローブに組み込まれるか、またはそこに結合される(例えば、放射性ヌクレオチド、またはストレプトアビジンによって認識されるビオチニル化ヌクレオチドの組み込み)。この検出可能部分は直接または間接的に検出可能である。間接的な検出は、検出可能部分に対する第二の直接または間接的な検出可能部分の結合を包含し得る。例えば、限定するものではないが、この検出可能部分は、結合パートナーのリガンド、例えば、ストレプトアビジンの結合パートナーであるビオチンなど、または特異的にハイブリダイズできる相補的配列のための結合パートナーである、ヌクレオチド配列である。その結合パートナーは、それ自体が直接検出可能であってもよい、例えば、抗体は、それ自体蛍光分子で標識されてもよい。関連の実施形態では、この結合パートナーはまた、間接的に検出可能であり、例えば、相補的なヌクレオチド配列を有している核酸は、他の標識された核酸分子とのハイブリダイゼーションを通じて次に検出可能になる分岐したDNA分子の一部である(例えば、PD.FahrlanderおよびA.Klausner,Bio/Technology 6:1165,1988を参照のこと)。シグナルの定量は、例えば、シンチレーションカウント、濃度測定またはフローサイトメトリーによって達成される。] [0135] 本発明の免疫原性アッセイ方法での使用に適切な標識の例としては、放射性標識(例えば、32P、35S)フルオロフォア(例えば、フルオレセイン)、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAで通常用いられるような)、ビオチン、ジゴキシゲニンもしくはハプテン、ならびに、例えば、ハプテンもしくはペプチド中に放射性標識を組み込むことによって検出可能に作製されるか、またはハプテンもしくはペプチドと特異的に反応性の抗体を検出するために用いられるタンパク質が挙げられる。また、抗血清もしくはモノクローナル抗体が利用可能なタンパク質、または標的に対して相補的な配列を有する核酸分子、ナノタグ、分子量ビーズ、磁性剤、ナノビーズもしくはマイクロビーズ含有蛍光色素、量子ドット、量子ビーズ、蛍光タンパク質、蛍光標識を有するデンドリマー、マイクロ・トランスポンダー、電子供与体分子もしくは分子構造、または光反射性粒子も考慮される。] [0136] 本発明での使用について考慮される追加の標識としては、限定するものではないが、蛍光色素(例えば、フルオレセイン・イソチオシアナート、テキサスレッド、ローダミンなど)、放射性標識(例えば、3H、125I、35S、14Cまたは32P)、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、およびELISAで通常用いられる他の酵素)、および比色定量標識、例えば、コロイド金、色ガラスまたはプラスチックビーズ(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)および発光または化学発光標識(例えば、Europium(Eu),MSD Sulfo−Tag)が挙げられる。] [0137] この標識は、当該分野で周知の方法に従ってアッセイの所望の成分に直接または間接的にカップリングされ得る。一実施形態では、この標識は本発明において有用な活性剤のコンジュゲーションのためにイソシアネートまたはN−ヒドロキシスクシンイミドエステル試薬を用いて成分に共有結合される。本発明の一局面では、二官能性イソシアナート試薬を用いて、生体高分子に対して標識をコンジュゲートして、活性因子が結合することなく標識生体高分子コンジュゲートを形成する。この標識生体高分子コンジュゲートを、本発明による標識されたコンジュゲートの合成のための中間体として用いてもよいし、またはこの生体高分子コンジュゲートを検出するために用いてもよい。上記で示されるとおり、広範な種々の標識を用い、標識の選択は必要な感度、アッセイの所望の成分とのコンジュゲージョンの容易さ、安定性の要件、利用可能な装置、および処分の条件に依存する。非放射性標識はしばしば、間接的な方法によって結合される。一般には、リガンド分子(例えば、ビオチン)は、分子に共有結合される。次いでリガンドは別の分子(例えば、ストレプトアビジン)分子に結合し、これが固有に検出可能であるか、またはシグナル系、例えば、検出可能な酵素、蛍光化合物または化学発光化合物に共有結合される。] [0138] 本発明の方法で有用な化合物は、特定の局面では、例えば、酵素または発蛍光団とのコンジュゲーションによってシグナル発生化合物に直接コンジュゲートされる。標識としての使用に適切な酵素としては限定するものではないが、加水分解酵素、特にホスファターゼ、エステラーゼおよびグリコシダーゼ、またはオキシドターゼ、特にペルオキシダーゼが挙げられる。標識としての使用に適切な蛍光化合物としては限定するものではないが、上記で列挙された化合物、ならびに、蛍光誘導体類、ローダミンおよびその誘導体類、ダンシル、ウンベリフェロン、エオシン、TRITCアミン、キニン、フルオレセインW、アクリジンイエロー、リサミンローダミン、Bスルホニルクロリドエリスロセイン、ルテニウム(トリス、ビピリジニウム)、ユーロピウム、テキサスレッド、ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド、フラビン・アデニン・ジヌクレオチドなどが挙げられる。標識としての使用に適切な化学発光化合物としては限定するものではないが、MSDスルファ−TAG、ユーロピウム(Eu)、サマリウム(Sm)、ルシフェリンおよび2,3−ジヒドロフタラジンジオン、例えば、ルミノールが挙げられる。本発明の方法で有用な種々の標識またはシグナル発生系の概説については、米国特許第4,391,904号を参照のこと。] [0139] 標識を検出するための手段は、当業者に周知である。従って、例えば、標識が放射性である場合、検出のための手段としては、シンチレーションカウンター(例えば、ラジオイムノアッセイ、シンチレーション近接解析)(Pitasら、Drug Metab Dispos.34:906〜12,2006)または写真用フィルム(オートラジオグラフィーなどの)が挙げられる。標識が蛍光標識である場合、適切な波長の光で蛍光色素を励起すること、および得られた蛍光を検出することによってこの標識は検出され得る(例えば、ELISA、フローサイトメトリー、または当該分野で公知の他の方法)。蛍光は、電荷結合素子(CCD)または光電子増倍管などのような電子感知器の使用によって視覚的に検出できる。同様に、酵素標識は、酵素のための適切な基質を提供すること、および得られた反応産物を検出することによって検出され得る。比色標識または化学発光標識は、標識と会合された色を観察することによって単に検出され得る。本発明の方法での使用のために適切な他の標識および検出システムは、当業者に容易に明らかになるであろう。このような標識されたモジュレーターおよびリガンドは、疾患または健康状態の診断に用いられる。] [0140] 一実施形態では、本発明の方法で有用な標識された組成物は、限定するものではないが、フィルター、プレートまたは膜を含む固体支持体に結合される。標識された化合物は溶液中で標識されて相互作用し得ることがさらに考えられる。例えば、捕獲抗体は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)供与体分子で標識されてもよく、この標的分子はFRET受容体分子で標識され、その結果その分子は、結合が生じるとき近位である。あるいは、この標的分子は、FRET供与体および抗体分子FRET受容体で標識されてもよい。別の可能性は、標的および抗体がハイブリダイズするとき、その抗体または標的上に両方とも存在するクエンチング分子および蛍光分子を分離することである。この標的分子は、試薬と相互作用している場合、その標識が発光するのに十分ちょうど近い。これによって、それが試薬と相互作用する場合(直接モニタリング)その分子がちょうど発光するだけのシステムが生じる。狭い帯域通過フィルターを用いて、分子の標識のもの以外の全ての波長をブロックする。FRET分子対は当該分野で市販されており(例えば、Invitrogen,Carlsbad,CAから)、製造業者のプロトコールに従って用いられ得る。FRET発光はCCDカメラのような光学画像化技術を用いて検出される。] [0141] 抗体−抗原相互作用を検出する別の方法は、電子供与体を用いてそれを標識することである。このドナー標識は、電気的接触に対して電子を与えて、ここに試薬を結合することである。例えば、エレクトロ・イムノアッセイ(electro immunoassays)の方法で有用な酵素を記載するGhindilis,A.(Biochem Soc Trans.28:84〜9,2000)およびDaiら(Cancer Detect Prev.29:233〜40,2005)を参照のこと。次いで、この電子の接触をAD(アナログ→デジタル)変換器によって読み取って定量する。電子のカウントが高いほど、生じた相互作用が多かった。] [0142] 単一分子の検出が可能な標識の一実施形態は、出典明記によって本明細書に援用されるSchultzら、Proc.Nat’l Acacd.Sci.,97:996〜1001(2000)に記載のような、光学レポーターとしてのプラズモン共鳴粒子(plasmon−resonant particle)(PRP)の使用である。PRPは、金属内の伝導電子の集団共鳴(すなわち、表面プラズモン共鳴)という理由で著しい効率で光を弾性的に散乱する、代表的には40〜100nmの直径の金属ナノ粒子である。ナノ粒子に関連するプラズモン共鳴の大きさ、ピーク波長およびスペクトルバンド幅は粒子のサイズ、形状および物質組成、ならびに局所の環境に依存する。調製の間にこれらのパラメーターに影響することによって、スペクトルの可視範囲のいずれかで散乱ピークを有するPRPが形成される。球状のPRPについては、ピーク散乱波長および散乱効率の両方とも大きい半径で増大し、示差的に着色された標識を生じるための手段が得られる。例えば、銀の球の集団は、再現性に調製され、それについてピーク散乱波長は、調製の間にその球の最終の半径を調節することによって、標的された波長の2〜3ナノメートル内である。PRPは明るく、にもかかわらずナノサイズであるので、それらは単一分子の検出のための指標として用いられる;すなわち視野内の結合されたPRPの存在によって、単一の結合事象が示され得る。] [0143] 別の例示的な実施形態では、このデバイスは、イムノアッセイ方法を用いる血液凝固因子の迅速な検出における使用のための試験ストリップであり、ここでは液体サンプル中の血液凝固因子は、限られた標識された抗体結合部位について免疫された血液凝固因子と競合する。このアッセイ手順では、体液サンプルは、標識された抗体−色素コンジュゲートと混合し、多孔性膜にそって移動する。血液凝固因子の濃度が試験の検出限界以下である場合、未結合の抗体−色素コンジュゲートは、その膜上に固定された血液凝固因子レセプターコンジュゲートに結合し、「負の」試験ゾーンでカラーのバンドが作製される。逆に、血液凝固因子レベルが検出限界かまたはそれより高い場合、遊離の血液凝固因子は、抗体−色素コンジュゲートに対する結合によって膜上の固定された血液凝固因子コンジュゲートと競合し、抗原−抗体複合体を形成し、これによってカラーのバンドの発色を妨げる。サンプル中の血液凝固因子レベルにかかわらず、カラーのバンドが各々のコントロールのゾーンで作製され、これがその試薬が化学的に活性であることを確認する品質管理の指標として役立つ。] [0144] 抗原−抗体複合体はまた、ナノ粒子由来の技術を用いて検出される。例えば、金ナノ粒子クエンチングを記載しているAoら(Anal Chem.78:1104〜6,2006)、抗体検出におけるSiO(2)/Auナノ粒子表面を記載しているChenら、(Biomaterials 27:2313〜21,2006)、ならびに固体基質−室温リン光イムノアッセイ(SS−RTP−IA)での使用のためのジブロモフルオレセインを含有する二酸化ケイ素ナノ粒子を記載しているLieuら、(J Immunol Methods.307:34〜40,2005)を参照のこと。] [0145] 本発明の方法については、抗体または血液凝固因子は、限定するものではないが、例えば、ポリスチレン、ナノ粒子、例えば、2種の金属からなる銀−金ナノ粒子(Yan Cuiら、J.Phys.Chem.B,110:4002−06,2006)およびポリアミド膜(PAM)シート(Sunら、Analytical Letters 34:1627〜37,2001)から作製される、タンパク質、マイクロキャリア、マクロ固相ビーズ、磁気ビーズに結合する、フィルター、PVC膜、PDVF膜、PVCプレートおよび他のプレートを含む種々の固体支持体に結合され得る。] [0146] 例えば、多重蛍光分子充填、種々の物質、表面組織、表面パターンなどを有するマイクロスフェアを識別タグとして利用する。捕獲抗体またはリソソーム酵素のいずれかをビーズに共有結合して、血清中のリソソーム酵素−特異的な抗体の量をアッセイするための反対の結合パートナーに対して反応することを考慮する。例えば、Current Protocols in Immunology,Unit 6.11)を参照のこと。蛍光的に充填されたマイクロスフェアは現在、Molecular Probes,Inc.および他の会社から入手可能である。マイクロスフェアおよび20nmの直径のポリスチレンビーズが現在利用可能である。] [0147] 血液凝固因子または抗体は、例えば、支持体の製造業者によって記載されるとおり、または当該分野で公知の標準的な化学架橋技術を用いて、当該分野の標準的なプロトコールを用いて固体支持体に結合される。例えば、Pierce Biotechnology,Inc.(Rockford,IL)架橋キットを参照のこと。] [0148] 候補剤 寛容破壊剤を特定するための本発明の方法で有用な候補剤は当該分野で利用可能である。本発明で有用な候補剤は、任意の有機または無機の分子、複合体または物質であると考えられる。例示的な候補剤は、化学ライブラリー、自然物質のライブラリー、またはコンビナトリアルライブラリーから得られる。] [0149] 一実施形態では、以下を含む当該分野で公知のコンビナトリアルライブラリー方法での任意の多数のアプローチを用いて薬剤が得られる;生物学的ライブラリー、空間的にアドレス可能な平行な固相または溶液相ライブラリー;デコンボリューションを要する合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィー選択を用いる合成ライブラリー法。この生物学的ライブラリーのアプローチはポリペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチはポリペプチド、非ペプチドオリゴマー、または化合物の低分子ライブラリーに適用可能である(Anticancer Drug Des.,12:145,1997)。このようなライブラリーは、当業者によって調製可能である(例えば、米国特許第4,528,266号および同第4,359,535号、および特許協力条約(Patent Cooperation Treaty)公開番号WO 92/15679、WO 92/15677、WO 90/07862、WO 90/02809によって調製されてもよいし、または市販の供給源から購入されてもよい(例えば、New England Biolabs Ph.D..TM.Phage Display Peptide Library Kit)。] [0150] 本発明の一実施形態では、有機分子は、化合物が個々にアッセイされる化学ライブラリーから、または複数の化合物が一度にアッセイされるコンビナトリアル化学ライブラリーから選択され、次いでデコンボリューションされて最も活性な化合物が決定および単離される。] [0151] 多数の化学ライブラリーが、当該分野で、例えば製薬会社の所有権のあるライブラリーとして存在しており、このようなライブラリーにおける化合物は、適切な候補剤である。このようなコンビナトリアル化学ライブラリーの代表的な例としては、Agrafiotisら、「System and method of automatically generating chemical compoundswith desired properties」、米国特許第5,463,564号;Armstrong,R.W.,「Synthesis of combinatorial arrays of organic compounds through the use of multiple component combinatorial array syntheses」、WO 95/02566;Baldwin,J.J.ら、「Sulfonamide derivatives and their use」、WO 95/24186;Baldwin,J.J.ら、「Combinatorial dihydrobenzopyran library」、WO 95130642;Brenner,S.,「New kit for preparing combinatorial libraries」、WO 95/16918;Chenera,B.ら、「Preparation of library of resin−bound aromatic carbocyclic compounds」、WO 95/16712;Ellman,J.A.,「Solid phase and combinatorial synthesis of benzodiazepine compounds on a solid support」、米国特許第5,288,514号;Felder,E.ら、「Novel combinatorial compound libraries」、WO 95/16209;Lerner,R.ら、「Encoded combinatorial chemical libraries」、WO 93/20242;Pavia,M.Rら、「A method for preparing and selecting pharmaceutically useful non−peptide compounds from a structurally diverse universal library」、WO 95/04277;Summerton,J.E.and D.D.Weller,「Morpholino−subunit combinatorial library and method」、米国特許第5,506,337号;Holmes,C.,「Methods for the Solid Phase Synthesis of Thiazolidinones,Metathiaza ones,and Derivatives thereof」、WO 96/00148;Phillips,G.B.およびG.P.Wei,「Solid−phase Synthesis of Benzimidazoles」、Tet.Letters 37:4887 90,1996;Ruhland,B.ら、「Solid−supported Combinatorial Synthesis of Structurally Diverse .beta.−Lactams」、J.Amer.Chem.Soc.111:253 4,1996;Look,G.C.ら、「The Identification of Cyclooxygenase−1 Inhibitors from 4−Thiazolidinone Combinatorial Libraries」、Bioorg and Med.Chem.Letters 6:707 12,1996に記載されるライブラリーが挙げられる。]
权利要求:
請求項1 第VIII因子(FVIII)、第VII因子(FVII)、第IX因子(FIX)、フォン・ビルブラント因子(vWF)、第II因子(FII)、第V因子(FV)、第X因子(FX)、第XI因子(FXI)、第XII因子(FXII)および第XIII因子(FXIII)からなる群より選択されるヒト血液凝固因子をコードするヒト導入遺伝子ポリヌクレオチドを含んでいるゲノムを有している、トランスジェニック非ヒト動物。 請求項2 前記動物が、前記ヒト導入遺伝子に相当する内因性血液凝固因子をコードするポリヌクレオチドの全ても、その一部も発現しない、請求項1に記載のトランスジェニック動物。 請求項3 前記ポリヌクレオチド配列が、プロモーターポリヌクレオチド配列に対して作動可能に連結されている、請求項1に記載のトランスジェニック動物。 請求項4 前記プロモーターが、αフェトプロテインプロモーター、アルブミンプロモーター、CMVプロモーターおよび内因性血液凝固因子プロモーターからなる群より選択される、請求項3に記載のトランスジェニック動物。 請求項5 前記ポリヌクレオチド配列が、ポリAポリヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載のトランスジェニック動物。 請求項6 前記動物がマウスである、請求項1に記載のトランスジェニック動物。 請求項7 前記ポリヌクレオチド配列が、ヒトvWFタンパク質をコードする、請求項1に記載のトランスジェニック動物。 請求項8 前記ポリヌクレオチド配列が、ヒトFVIIIタンパク質をコードする、請求項1に記載のトランスジェニック動物。 請求項9 前記ポリヌクレオチド配列が、ヒトFVIIタンパク質をコードする、請求項1に記載のトランスジェニック動物。 請求項10 前記ポリヌクレオチド配列が、ヒトFIXタンパク質をコードする、請求項1に記載のトランスジェニック動物。 請求項11 前記動物がまた、該トランスジェニック動物に対して内因性の主要組織適合性クラスII遺伝子の代わりにヒト主要組織適合性クラスII遺伝子を発現する、請求項1に記載のトランスジェニック動物。 請求項12 第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択されるヒト血液凝固因子をコードするポリヌクレオチドを含んでいる非ヒトトランスジェニック動物であって、該ヒト血液凝固因子はヒト血液凝固因子の生理学的活性を有しており、該トランスジェニック動物は:(a)転写調節性ポリヌクレオチド配列、(b)該ヒト血液凝固因子をコードするDNA、および(c)ポリアデニル化シグナル、を含んでいる外因性導入遺伝子構築物をそのゲノム中に有しており、ここで(A)、(B)および(C)は、該トランスジェニック動物中の該ヒト血液凝固因子またはそのフラグメントの産生を得るために該外因性遺伝子構築物中で作動可能に連結されている、非ヒトトランスジェニック動物。 請求項13 前記転写調節性ポリヌクレオチド配列が、5’転写調節性ポリヌクレオチド配列、3’転写調節性ポリヌクレオチド配列、内部転写調節性ポリヌクレオチド配列、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項12に記載のトランスジェニック動物。 請求項14 前記5’調節性配列がプロモーターであり、必要に応じてエンハンサー領域を含んでいる、請求項13に記載のトランスジェニック動物。 請求項15 前記プロモーターが、αフェトプロテインプロモーター、アルブミンプロモーター、CMVプロモーター、および内因性血液凝固因子プロモーターからなる群より選択される、請求項14に記載のトランスジェニック動物。 請求項16 前記動物が、前記ヒト導入遺伝子に対応する内因性血液凝固因子をコードするポリヌクレオチドの全ても、その一部も発現しない、請求項12に記載のトランスジェニック動物。 請求項17 前記DNAがヒトvWFタンパク質をコードする、請求項12に記載のトランスジェニック動物。 請求項18 前記DNAがヒトFVIIIタンパク質をコードする、請求項12に記載のトランスジェニック動物。 請求項19 前記DNAがヒトFVIIタンパク質をコードする、請求項12に記載のトランスジェニック動物。 請求項20 前記DNAがヒトFIXタンパク質をコードする、請求項12に記載のトランスジェニック動物。 請求項21 前記トランスジェニック動物がまた、該トランスジェニック動物に対して内因性の主要組織適合性クラスII遺伝子の代わりにヒト主要組織適合性クラスII遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項12に記載のトランスジェニック動物。 請求項22 第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択されるヒト血液凝固因子をコードするポリヌクレオチド導入遺伝子を含んでいるトランスジェニック非ヒト動物を作製する方法であって、該方法は:該ヒト血液凝固因子をコードするポリヌクレオチド配列を、非ヒト動物のゲノムDNAに導入して、ヒト血液凝固因子をコードするポリヌクレオチドを含むが、該トランスジェニック動物に対して内因性の対応する血液凝固因子を含んでいない該トランスジェニック非ヒト動物を提供する工程を包含する、方法。 請求項23 前記導入する工程が、マイクロインジェクションによって行われる、請求項22に記載の方法。 請求項24 前記導入する工程が、ウイルスベクターを用いて行われる、請求項22に記載の方法。 請求項25 前記ポリヌクレオチド配列が、ヒトvWFタンパク質をコードする、請求項22に記載の方法。 請求項26 前記ポリヌクレオチド配列が、ヒトFVIIIタンパク質をコードする、請求項22に記載の方法。 請求項27 前記ポリヌクレオチド配列が、ヒトFVIIタンパク質をコードする、請求項22に記載の方法。 請求項28 前記ポリヌクレオチド配列が、ヒトFIXタンパク質をコードする、請求項22に記載の方法。 請求項29 前記ポリヌクレオチド配列が、プロモーターポリヌクレオチド配列に対して作動可能に連結されている、請求項22に記載の方法。 請求項30 前記プロモーターが、αフェトプロテインプロモーター、アルブミンプロモーター、CMVプロモーター、および内因性血液凝固因子プロモーターからなる群より選択される、請求項29に記載の方法。 請求項31 前記ポリヌクレオチド配列が、ポリA配列を含む、請求項22に記載の方法。 請求項32 前記動物がマウスである、請求項22に記載の方法。 請求項33 前記動物が、前記導入遺伝子についてホモ接合性である、請求項1に記載のトランスジェニック動物または請求項22に記載の方法。 請求項34 前記動物が、前記導入遺伝子についてヘテロ接合性である、請求項1に記載のトランスジェニック動物または請求項22に記載の方法。 請求項35 前記非ヒト動物のゲノムDNA中に、ヒト主要組織適合性クラスII遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を導入して、該動物に対して内因性の主要組織適合性クラスII遺伝子の全てまたは一部を置き換える工程をさらに包含する、請求項22に記載の方法。 請求項36 ヒト血液凝固因子をコードするポリヌクレオチドを含んでいるトランスジェニック非ヒト動物を作製するための方法であって、該方法は:a)第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択されるヒト血液凝固因子ならびにポジティブ選択マーカー遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を提供する工程であって、該マーカー遺伝子がloxP部位に隣接している、工程;b)該非ヒト動物と同じ動物種由来の胚性幹細胞中に該ポリヌクレオチド配列を導入する工程であって、該導入が、該ポリヌクレオチド配列が該胚性幹細胞のゲノム遺伝子座に対して相同組み換えされて、第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択されるヒト血液凝固因子ならびに該選択マーカー遺伝子をコードするポリヌクレオチドを含んでいる胚性幹細胞を作製するような条件下で行われる、工程;c)該非ヒト動物の胚盤胞に該相同組み換えされた胚性幹細胞を注入する工程;d)該注入された胚盤胞を偽妊娠雌性非ヒト動物中に導入する工程;およびe)該偽妊娠雌性動物が該相同組み換えされたDNA配列を有する1匹以上のトランスジェニック動物を出産させる工程であって、1匹以上のトランスジェニックマウスが第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択される該ヒト血液凝固因子を発現する、工程、を包含する、方法。 請求項37 前記ポリヌクレオチドが、前記ヒト血液凝固因子遺伝子に対して作動可能に連結されたプロモーターを含む、請求項36に記載の方法。 請求項38 前記プロモーターが、αフェトプロテインプロモーター、アルブミンプロモーター、CMVプロモーター、および内因性血液凝固因子プロモーターからなる群より選択される、請求項37に記載の方法。 請求項39 前記ポリヌクレオチド配列が、ポリA配列を含む、請求項36に記載の方法。 請求項40 前記選択マーカーが、ネオマイシン耐性遺伝子neoである、請求項36に記載の方法。 請求項41 工程(e)由来の一匹以上のトランスジェニック動物が、Cre欠失系統マウスと交配される、請求項36に記載の方法。 請求項42 前記トランスジェニック非ヒト動物が、ヒトvWF遺伝子を発現する、請求項36に記載の方法。 請求項43 前記トランスジェニック非ヒト動物が、ヒトFVIIIタンパク質を発現する、請求項36に記載の方法。 請求項44 前記トランスジェニック非ヒト動物が、ヒトFVIIタンパク質を発現する、請求項36に記載の方法。 請求項45 前記トランスジェニック非ヒト動物が、ヒトFIXタンパク質を発現する、請求項36に記載の方法。 請求項46 前記非ヒト動物のゲノムDNA中にヒト主要組織適合性クラスII遺伝子をコードするポリヌクレオチド配列を導入する工程をさらに包含し、該ポリヌクレオチド配列は、前記トランスジェニック動物が、その内因性の主要組織適合性クラスII遺伝子を発現しないように、該トランスジェニック動物に対して内因性の主要組織適合性クラスII遺伝子の全てまたは一部を置き換えているヒト主要組織適合性クラスII遺伝子をコードする、請求項36に記載の方法。 請求項47 非ヒトトランスジェニック動物中で、ヒト血液凝固因子に対する抗体についてスクリーニングするための方法であって、該トランスジェニック動物は、第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択されるヒト血液凝固因子を発現するポリヌクレオチド導入遺伝子を含んでおり、該方法は:該動物中で発現されるヒト血液凝固因子に対応する、ヒト血液凝固因子ポリペプチド、そのフラグメント、アナログまたは改変体を含んでいる組成物を該動物に投与する工程、ならびに該トランスジェニック動物由来のサンプル中で該ヒト血液凝固因子に特異的な抗体を検出する工程、を包含する、方法。 請求項48 前記検出工程が、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)によって行われる、請求項47に記載の方法。 請求項49 前記組成物が、前記動物中での前記導入遺伝子によって発現されるヒト血液凝固因子ポリペプチドのフラグメント、アナログまたは改変体を含む、請求項47に記載の方法。 請求項50 前記組成物で投与される前記ヒト血液凝固因子が、水溶性ポリマーを含む、請求項49に記載の方法。 請求項51 前記水溶性ポリマーが、ポリエチレングリコール部分である、請求項50に記載の方法。 請求項52 前記組成物で投与される前記ヒト血液凝固因子が、ポリシアリル部分を含む、請求項49に記載の方法。 請求項53 投与される前記組成物中の前記ヒト血液凝固因子が、融合タンパク質である、請求項47に記載の方法。 請求項54 前記融合タンパク質が、ヒト血液凝固因子および第二の治療用ポリペプチドを含む、請求項53に記載の方法。 請求項55 前記組成物がさらに、第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択される第二のヒト血液凝固因子を含む、請求項47に記載の方法。 請求項56 前記組成物がさらに、薬学的に受容可能なキャリアを含む、請求項47に記載の方法。 請求項57 前記組成物が必要に応じてアジュバントを含む、請求項47に記載の方法。 請求項58 前記投与する工程が、静脈内、皮下、筋肉内、経口または非経口的に行われる、請求項47に記載の方法。 請求項59 前記サンプルが血清である、請求項47に記載の方法。 請求項60 前記サンプルが、前記トランスジェニック動物から単離された免疫細胞である、請求項47に記載の方法。 請求項61 非ヒトトランスジェニック動物中で、ヒト血液凝固因子の免疫原性についてスクリーニングするための方法であって、該非ヒトトランスジェニック動物は、第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択されるヒト血液凝固因子ポリペプチドを発現する導入遺伝子を含んでおり、該方法は:該動物中の該導入遺伝子によって発現されるヒト血液凝固因子に相当するヒト血液凝固因子を含んでいる組成物を該動物に投与する工程、ならびに該ヒト血液凝固因子ポリペプチドの投与に続いて該動物での免疫原性事象を検出する工程、を包含する、方法。 請求項62 前記免疫原性事象が抗体産生である、請求項61に記載の方法。 請求項63 前記組成物が、前記動物での前記導入遺伝子によって発現されるヒト血液凝固因子ポリペプチドのフラグメント、アナログまたは改変体を含む、請求項61に記載の方法。 請求項64 前記組成物が、さらに薬学的に受容可能なキャリアを含む、請求項61に記載の方法。 請求項65 前記組成物が、必要に応じてアジュバントを含む、請求項61に記載の方法。 請求項66 ヒト血液凝固因子に対する化合物の効果を決定するための方法であって:第VIII因子(FVIII)、第VII因子(FVII)、第IX因子(FIX)、フォン・ビルブラント因子(VWF)、第II因子(FII)、第V因子(FV)、第X因子(FX)、第XI因子(FXI)、第XII因子(FXII)および第XIII因子(FXIII)からなる群より選択されるヒト血液凝固因子を発現する導入遺伝子を含んでいる非ヒトトランスジェニック動物に対して試験化合物を投与する工程、ならびに化合物の非存在下でのサンプル中の該ヒト血液凝固因子の活性と比較して、該化合物の存在下で該トランスジェニック動物から採取したサンプル中のヒト血液凝固因子活性における変化を検出する工程を包含する、方法。 請求項67 前記ヒト血液凝固活性が、血液凝固因子の発現レベル、血液凝固活性の変化、およびタンパク質結合活性からなる群より選択される、請求項66に記載の方法。 請求項68 前記血液凝固因子がvWFであり、かつ前記凝固因子活性がFVIII結合である、請求項66に記載の方法。 請求項69 少なくとも1つのヒト血液凝固因子を発現する非ヒトトランスジェニック動物である実験的動物モデルであって、該動物は天然の血液凝固因子が溶液で投与される場合、該ヒト血液凝固因子に対して顕著な抗体力価を生じることがない、実験的動物モデル。 請求項70 後天性血友病Aの実験的動物モデルである、請求項69に記載の動物モデル。 請求項71 血友病Bの実験的動物モデルである、請求項69に記載の動物モデル。 請求項72 前記血液凝固因子が第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択される、請求項69に記載の実験的動物モデル。 請求項73 血液凝固因子に対する寛容の破壊を誘導する薬剤を同定するための方法であって:ヒト血液凝固因子を発現する請求項69に記載のトランスジェニック非ヒト動物に対して候補剤を投与する工程、トランスジェニックである該動物にヒト血液凝固因子を投与する工程、および該動物中で抗血液凝固因子応答を検出する工程を包含し、ここで、該候補剤の投与が抗血液凝固因子応答の発生させる場合、該候補剤は寛容破壊剤である、方法。 請求項74 前記応答が、抗血液凝固因子インヒビターの産生である、請求項73に記載の方法。 請求項75 前記応答が免疫応答である、請求項73に記載の方法。 請求項76 前記免疫応答が、前記ヒト血液凝固因子に対する抗体である、請求項75に記載の方法。 請求項77 前記候補剤が、ペニシリン、フルダラビン、インターフェロンα、化学療法剤、抗生物質、抗精神病剤、炎症促進性サイトカイン、トール様レセプターのリガンドおよびインビボで炎症促進性サイトカインの放出を誘導する任意の他の化合物からなる群より選択される、請求項73に記載の方法。 請求項78 前記血液凝固因子が、第VIII因子、第VII因子、第IX因子、フォン・ビルブラント因子、第II因子、第V因子、第X因子、第XI因子、第XII因子および第XIII因子からなる群より選択される、請求項73〜77のいずれか1項に記載の方法。
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